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2008-02

想像力

 相手の立場に立って物を考える・・・

 という事ができない人がいる。

 

 いや、増えていると言ってもいい。

 

 何故だろう・・と考えていて、

 気付く事がある。

 

 想像力は経験の記憶と客観視できる能力によって培われるから、

 何でもイージーに疑似体験できる現代は、

 実際に肌で感じる経験値が低い人が多くて、

 しかも自己とある意味消し去った上で物事を見る「客観視」という

 特殊な物の見方をする訓練も、あまりされていないのかも・・・

 と思うのだ。

 

 できない人に「やれ」というのは酷ではあるが、

 最初から想像力が豊かな人であっても、

 それを仕事に使おうとする限りは、

 やはり仕事にその能力を生かすための「努力」が必要となる。

 

 演出という仕事は、とくにドラマや芝居など、

 架空の誰かを作り上げる仕事となると、

 その想像力を豊に持った上で、さらに架空の人間になりきる才能が

 必要となってくるわけだ。

 

 何かを表現する時は、

 必ず表現する人の姿がソコに見える。

 

 だからその表現を使って他人になりきる事は、

 恐ろしく難しい。

 

 自分を消し去る事がスタートとなる「演」は

 それでも自分が消える事の無い表現の世界を十二分に使いながら

 見る人達へ伝わる何かを確実に投げなくてはいけない行為だから・・・

 

 

 いや、難しい論文を書こう・・というワケじゃない。

 

 日々数字を見ていても、

 そこから見えてしまう様々なモノがあって、

 その事をつらつらと考えていただけ(^_^;)

 

 でも、見えてしまう・・・という事が、

 ひょっとしたら「能力」なのか?

 と思ったら、私がやらなくちゃいけない理由が

 少しだけ見えた気分になった。

 

 しかし・・・

 今年の決算は・・・・なぁ・・・(/–)/

物欲神降臨

 「俺さ・・・

  お前の写真好きだからよぉ・・

  桜の写真撮ってくれよ・」

 

 

 酔っぱらった兄弟が呟いた。

 いや、正確にはお願いされた・・・ようだ。

 

 久々に兄弟と会って、

 しかも酒に飲まれるタイプの兄弟なのに、

 何故か会った場所が酒場で・・・

 

 案の定、良い調子に彼はなっていたのだが、

 それでもその言葉は、何かを確実に私の中に残してくれた。

 

 

 そうだ。

 自分で発信しているだけ・・じゃなかった。

 

 こうやって1人でも、

 新しい写真を見せてくれ・・・という人間がいてくれるなら、

 自分なりの写真を撮って載せる事を続けたい、と正直、思えたのだ。

 

 来週は、スチールの仕事があって、

 再来月にも依頼があって・・・

 

 これって幸せな事だ。

 

 自分の切り取る世界が、

 ちゃんと仕事になっていく・・・という事も、

 仕事ではなくても、見たいと言ってくれる人がいる事も。

 

 日々、誰かのミステイクを確認するような毎日だから、

 こういう自己責任の上に成り立つ自己表現の分野に

 気持ちをシフトできる事は、大きな救いとなっている。

 

 で・・・・

 後は、スチール撮りの仕事に必要な、様々な道具が欲しくなっていくのだが、

 今はストレスの影響もあって物欲が激しくて、自分でも閉口する(^_^;)

 

 4月以降で動物の写真を撮る必要が出てきているのだが、

 今使っているデジカメはシャッターが鈍く連写スピードも遅いので、

 安くても連写スピードの速い40Dを買おうか・・・と真剣に悩んでいて、

 でも、仕事他に使う自分用のノートブックも更新したくて・・・

 

 はい

 つまり、物欲の神が降臨しているようなのです。

 

 という事で、宝くじでも買って気持ちを抑える事としましょう・・(/–)/

大人しくしていたい

 1日、数字と睨めっこしていた。

 

 まだ社長に見せられる数字じゃない・・・

 

 削いで磨いて、リアリティのある、

 シェイプアップされた支出予算を立てなくてはいけない。

 

 その緻密な作業をしていたら・・・・

 夜になった。

 

 空しい休日。

 自宅勤務で済むから・・・と言っても、

 結局のところ、休みではない。

 

 そして、今取り組んでいる課題は、

 まだメドが立っていない。

 

 また今週、この苛つきと供に過ごし、

 そして余計な仕事を増やすヤツとも渡り合うしかなく、

 変な筋とかを通す努力なんてする時間も無いのに・・・と

 さらに苛つきと怒りを感じていたり、する。

 

 

 そりゃぁ・・・私は

 乱暴で、極端ですよ。

 

 だがそれには、

 必ず理由があるんです。

 

 もし明日からの1週間の内で怒鳴る事があったのなら、

 それは明らかに喧嘩を売られてる・・という事。

 

 

 さて、

 筋が通らない、理由のわからない「決まり」とやらを

 尊重も理解もする余裕の無い私は、

 果たして、静かにしていられのだろうか?・・・・なぁ(/–)/

写真教室?

 スチールを撮りに出かける。

 

 朝から天気は良くて、春を予感させる空気が、

 目指す梅林の状態を暗示する。

 

 抜けるような青空には所々に大きめの雲が出ていて、

 日差しが上手く当たるかどうか・・が、ちょっとだけ気がかりだが、

 とにかくこの週末に撮っておかないと来週の放送に使う写真が無いのだ。

 

 

 「随分大きいレンズですね、重いでしょう?」

 

 「えぇ、重さはありますね。

  明るいレンズなんでしかたないんです。」

 

 「何ミリですか?」

 

 「200です。」

 

 「え?

  もっと凄い望遠なのか・・と思いましたよ」

 

 

 いきなり、カメラ好きの男性に声をかけられた。

 

 ここのところ、観光地でスチールを撮っていると、

 こうした声がやたらにかかるのだ。

 

 まぁ、私の格好もそれなりに派手(異質?)だし、

 持っているカメラやレンズも仰々しいから、

 それは必然的に起こる事なのだろう。

 

 (今日は黒いジャンパーに革のベストと、革パンと革のキャップ・・と黒ずくめで、

  クレームが来ても対応できるように・・とIDカードをぶらさげている)

 

 

 「今日は何の撮影ですか?」

 

 「今の風景を番組で使うんですよ」

 

 「テレビなんですか?」

 

 

 それにしても、今日はこういう質問が多いな・・・と思ってよく見ると、

 とにかくデジタル一眼レフを持つアマチュアカメラマンが多い。

 

 コンパクトカメラを持つ人よりも、遙かに多くて、

 しかも2台3台とカメラを持っている人まで、いる始末。

 

 ただ、基本的には倍率の高いズームレンズをつけたカメラマンが、多いようだ。

 

 

 とにかくこっちは仕事。

 少なくとも必要なカットは撮らないと帰れないから、

 梅林に集う人達の笑顔を切り取っていく。

 

 ・・と、気付くと、私の周りにはなんとなくそんなカメラマン達が

 遠巻きにして集っている

理由

 「どうしてそう決心したの?」

 

 「とくに不満は無かったし、

  実は今だって愛おしさは残っているんだけど・・」

 

 「ど・・・?」

 

 「許せない事があったんですよ」

 

 

 彼女は、半年近く付き合った男性と袂を分かつ・・と話していた。

 私は、こんな時、勤めてフラットに話を聞こうと、心がける。

 

 何故なら、

 彼女の付き合ってきた人間は、

 私にとっても知らない仲ではなかったからだ。

 

 

 「私は、煙草が嫌いなんですよ。」

 

 「そうなんだ。」

 

 「あの人は、私と付き合い始める時に

  約束してくれたんです。」

 

 「え?

  煙草やめるって?」

 

 「まさか。

  私と食事する時は、煙草を我慢するって・・・です」

 

 

 よくある話だ。

 

 煙草の匂いは、嫌いな人にとっては暴力にも等しいし、

 煙草愛好者ほどその扱いがぞんざいで、嫌煙者を無視しやすいように

 感じる事が多い。

 

 

 「煙草は私が我慢すればいい・・とも思うんですけど、

  許せないと思ったのは『君と食事をする時は吸わない』と言った人間が、

  付き合いだしてちょっとしてから、食卓にすわった途端に煙草を吸うように

  なった事なんです。」

 

 「え・・・と、計画的に?」

 

 「あはは

  そんな事できる人じゃないですよ。

  本人は、無意識にそれをやってしまうようなんです。」

 

 「そうだな・・・

  あり得るなぁ・・・」

 

 「で『約束したよね?』って言うとすぐ謝るのですが、

  テーブルに灰皿がある店に行くと、同じ事をするんです。

  何回も言うのが嫌で最近は言わなくなりましたが、

  約束した事を守らない事が、どうしてもひかかってしまうんです。」

 

 「いつか、こうやって他の約束も守らないと?」

 

 「えぇ」

 

 

 人間関係は、信頼の上に成り立つもの。

 

 会社というどこかに線を引いた社会の中でも

 信頼を持てない人間は排除される。

 

 ドメスティックな関係は、

 信頼無くして続くわけがない。

 

 

 「俺がヤツの知り合いだから、何かを期待している?」

 

 「いいえ。

  そんな遠回しな手を使えるほど、器用じゃないですよ。」

 

 「どうだかなぁ・・・」

 

 

 バレンタインの翌日に聞かされる話としては、

 いささか重い話だ。

 

  

 「でも、どうして俺に話したの?」

 

 「こういう話をしても、誰にも話さない人だと思ってますから」

 

 「でも、何もしれやれないぜ?」

 

 「いつか、あの人が私との事を話す事があったら、

  その時話してもらえればいいな・・・と思って。」

 

 「何故、上手くいかなかったかって?」

 

 「えぇ」

 

 「あのさ・・・

  ヤツにも話さない事を、俺が知ってたらマズくない?」

 

 「大丈夫です。

  あ・・・迷惑ですか?」

 

 「いや・・

  ただ、ヤツはそんな個人的な事を、俺には言わないだろうよ」

 

 「なんだ、つまらない・・・」

 

 

 え・・・と、

 この場合、どんな反応をすればいいのでしょうか?

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