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2010-05

クロッシング

深夜、映画のランキングを語る番組にて
辛口の映画関係者がそろってトップにあげたのが「クロッシング」だった。
 

 
物語は、北朝鮮で貧しくも幸せに生きる家族の話。
慎ましく暮らす親子3人は、母の結核で壊れていく。
 
元サッカー選手の父は妻の為に薬を求めて脱北するが、
薬を得る為に働いている時中国政府に追われ、
大使館への駆け込みなどを経て韓国で生活をする事になる。
しかし、母は死に、息子は父と会いたい一心で脱北を図るが・・・
 
と、報道で見聞きする現実に重なるようなストーリーではあるが、
政治色はできるだけ排して現実に近づけた・・という触れ込みに惹かれ、
重さを覚悟して、観に行ってきた。
 
 

 
 
この映画は、単館上映物だ。
 
明らかに興行としての能力には欠けるし、
観ても気持ち良いワケは・・・無い。
 
ただ、映像を作る仕事をする人間としては、
完成した2008年から随分時間を費やしての上映に、
タダモノならぬ気配を感じていた。
 
そして向かった映画館が「ジャック・アンド・ベティ」だった。
 
 
 
映画が好きで、良質な映画を上映したい・・・
と頑張っていた福寿祁久雄氏が経営していた映画館の1つ「ジャック・アンド・ベティ」は、
1度は閉館となってしまったが黄金町プロジェクト等の関連から復活し、
今は2本立て興行と単館系映画を上映する2スクリーン映画館として営業している。
 
仕事の関係で福寿氏に会った事もあった私でも、
「ジャック・アンド・ベティ」で映画を観た事は無くて、
そういう意味でも、ここに来る意味は何かあるんだろうな・・・とは思っていたが、
実際に映画が始まった途端、既に朧気ながらにも、その意味が伝わってきた。
 
 

 
 
正直に言って、重い。
 
海を挟んだ隣の国で起きている現実を、
ノンフィクションドラマの様に作り上げたこの映画は、
心のどこかに引っかかっていた感情と途切れ途切れの記憶によって、
今の自分を、違う視点で見るように仕向けられている。
 
 
助監督は脱北者。
実際に脱北した人達100名へのインタビューを元に作られた本。
プロパガンダにしない。
実際に脱北した人が通った道を追う作り。
北朝鮮の訛りを使う役者。
北朝鮮との関係が深い中国ロケでは、許可さえ取れずにゲリラ撮影。
 
様々な情報は、それだけを見ればなるほど・・と思わせてはくれるけど、
そんな物はこの映画、と言うか制作チームの凄さを表していない。
 
私が観て驚いたのは、
一貫してリアリティが存在する事だった。
 
 

 
 
私は、クリエイティブな物において、
質や格、魅力を決める物は
嘘をどれだけ本物に見せるか・・・だと思っている。
 
ストーリーを紡ぐ作業は、全て本物として表現できなけば、
面白くもなんともないだけじゃなく、見続ける事さえ難しくなる。
 
写真だって、レンズよって歪められ切り取られた世界を
伝えたいメッセージの代弁者としてリアルに表現しないと、
その場にある空気は伝わらない、と思っている。
 
そしてそのリアリティは、
緻密な計算とブレない視点が求められる
大変な作業を伴う特殊技術である事は、言うまでもない。
 
 

 
 
幸せって何だろうね
日々、暮らせる事を感謝しなくちゃね
 
そして
幸せはどこにでもあるんだから
気がつかないとね
 
 
そんな当たり前な事さえ忘れる日常は、
知らず知らずのうちに、自ら呼び寄せた不幸なのかも知れない。
 
そんな思いを抱かせるこの映画、
自分の立ち位置を見失った人にはオススメです。
 
 

 
映画「クロッシング」オフィシャルサイト 
 http://www.crossing-movie.jp/index.html

Restart


 
今日は、株主総会の日。
 
 
嵐のような勢いで物事が動き、
ジタバタしながら、どうにか年度に区切りをつける事ができた。
 
新しい体制で再スタートだけど、
その結果、様々な動きは予想されている。
 
さて、私自身の再スタートは
何処へ向かうんだろうね。

なんか変じゃない?

気付いてなかったんだけど
自動車税が10%上がってた。
 
何故?と思って調べたら、
環境負荷の大きい自動車に対する重課がされていてる。
 
テレビでは、13年以上前の車に対しては
補助金が出ます・・・と自動車メーカーが宣伝をし、
新しい車の買い換えを促している。
 
ねぇ・・・
まだ全然現役だよ?

どうしても使う必要がある時だけしか使わないから、
全然性能ダウンもしてないし、何より愛着がある。
  
仮に助成金もらって買うとしても
同じようなパッケージ・性能の車はとんでもない価格で、
新しい車なんて、買う意味が見出せないじゃん。
 
 
デジタルテレビもそうだけど、
無理矢理購買を促進しようとする施策は
庶民には厳しいんだよね。

確かに、物が売れなくちゃ社会全体が落ち込んでしまうけど、
使える物を使いにくくするようなやり方は、なんか変だと思うんだけど。
 
まぁ・・・
新しい車を買うより、増税分を払った方が遙かに安いので、
ぶつぶつ文句を言いながら払いますけどね。
 
  

吉凶は糾える縄の如し


 
年度で切り替わる会社にとって、
春は色々と方向性が見えてくる時期。
 
そして丁度、
その切り替わりのタイミングを迎えている。
 
そんな動きとは別に、
次元の違う問題もまた見えてきて、
アッチもコッチも吉凶が晒されてきた。
 
 
まぁ
それも人生。
されど人生。
 
気楽に生きるしかない・・・
って事ですかね。
 

旅するカメラ


 
貸したカメラに残っていた写真を見て、
ふっと気付いた。
 
最近、動かなくなってしまったな・・・と。
 
 
立ち続ける事が難しくて、長時間歩くなんてもっての他で、
今は、出かけるときは常に座れる場所を考えて動くクセがついている。
 
だから、日本のような環境が期待できない国に行こう・・・という気は起きないし、
そもそもどこかへ出かけよう・・という気も失せていた。
 
しかし、貸したカメラが旅をして、記録として画像付きで返ってきたのは、
友人の「自分から世界を狭めるなよ」というメッセージに感じられた。
 
 

 
 
見れば、私の撮り方に似ている写真が多い。
 
トリミングと調整を私流にしてみると、
自分が撮ったとしてもこうなるな・・・という感じがする。
(チョイスもトリミングもしちゃったら当然か(^_^;)
 
 

 
 
場所は西安。
中国の中心にある都で、シルクロードの起点でもある。
 
回族と呼ばれるイスラム教徒民族がいるせいかモスクも存在し、
現在も明代に築かれた城壁が残っている。(唐の時代は9倍の大きさだったとか)
 
古称は長安、西周から秦、漢、隋、唐・・の都城として存在し、
十数王朝の都として3000年以上の歴史があると聞く西安は、
遣唐使の吉備真備や阿倍仲麻呂が訪れた場所でもあり、
日本に帰れなかった阿倍仲麻呂の碑も現存する。
 
 

 
 
改めてレントゲンを撮ったりしながら身体を調べると、
痛みが本格的になってから、状態は進行していない事がわかった。
 
節制と体重管理、歩けるときは歩く・・等の最低限の運動のおかげか、
痛みが我慢できるうちは手術をしなくても良い、という診断を頂く。
 
実際、突然気候が暖かくなってから体調は良くなって、
ちょっと前までの苦しみはなんだったんだろう・・と思う位。
 
で、こんな写真を見ていると、
行ってちゃんと写真を撮ってみたいな、と思ってしまう。
 
 

 
 
前のような強行軍の貧乏旅行は難しいけど、
動く事を諦める事は、まだまだ早いよね。
 
痛みが出たら座れば良いんだし、
他の部分がダメになる前じゃないと無理もできないし・・・
という事で、今年はどこかへ出かけよう、と思う。
 
 
しかし中国・・・
もの凄いエネルギーを感じさせてくれる国なんだねぇ(^_^)
 
  

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