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2006-01

アドベッグ1996

ゴードン&マクファイル社のコニサーズチョイス・シリーズは秀逸だ。
 
外れ無し・・・とは言い切れないが、かなりの確率で面白いモルトに出会える。
 
今宵は「アドベッグ1996」に出会ったが、最初はその若さにちょっとだけ退きが入っていた。
 
 
「飲まず嫌いはいけないですよ」
 
「そうだよねぇ」
 
「ベリーヤングなんてキツイのも飲むんですから、
 飲んでから判断しましょう」
 
 
ゴードン&マクファイル社の持つアドベックは1996が最終という噂がある。
スピリット・オブ・スコットランドというシリーズでも96は出ているが、
王道をいくシリーズとして有名なのはコニサーズチョイス。
 
だから、96と言えども、侮れないはずだ。
 
 
口開けは・・・・
穏やか(^_^)
 
上質な古い酒にも似た、穏やかさと奥行きを見せる。
 
ど~れど~れ・・・とばかりに時間を置いてみると
穏やかに開いていく。
 
アドベッグらしいスモーキーなフレーバーに、適度な甘さ。
 
変化の幅は若さ故に狭いが、ちゃんとアドベックだ・・と自己主張してみせる。
 
う・・・・む
美味い、と言うより、優しい(^_^)
 
オフィシャルの10年物よりもはるかに穏やかでいて、
複雑な香りのそれぞれがしっかり顔を見せるような広がりがあって、
若さも充分に見せてくれる艶やかさ。
 
こんな酒がまだ5000円もしないで
店頭に並んでいるのだからたまらない。
 
アドベッグもフロアモルティングを止めてからすっかりイメージが変わってしまったが、
それでもラフロイグに比べたら華やかで複雑な楽しい物である事には変わりない。
 
しかしながら、1977を最後に一度閉鎖に追い込まれた結果、
どうしても今は、17年以上の良きモルトが存在しないのだ。
 
だから、ウーゲデールというバッティングモルトの存在価値も高いのだが、
どうしても存在を忘れられがちになるのだろう。
 
久々に、マトモなアドベッグに出会った感じがして、
少しだけ嬉しい気持ちを持てたのは言うまでもない。

ジャック・ター

横浜発のカクテルとして名を馳せた「ジャック・ター」(水夫)
 
ロンリコ151を使ってくれないとなんか間抜けな味になるのだが、
使うと当然の如く凄い強さの酒となる。
 
だが、カスクをニートで飲む事に慣れてしまうと、
これがち~っとも強い酒に感じられない。
 
同様に、ロングアイランド・アイスティーも、タダのロングドリンクにしか感じられなくて・・・
 
調子に乗ってコイツらをガバガバと飲んでしまったりする。
 
ウィスキーとは明らかに違う酔い。
 
頭がホワンとした、その場限りの酔いが襲い、
結構来るじゃん(^_^)・・・と楽しんでいると、
あっさりと酔いが消えていってしまう。
 
最近は寝酒に・・とそんなどこでもあるカクテルやテキーラのストレートを飲むのだが、
今来ている酔いを捕まえて寝てしまわないとすぐさままた目が覚めてしまう。
 
そういう意味では、ウィスキーの酔いって穏やかに強かに酔わせてくれるようで、
実に気持ち良いと身にしみて感じたりする。
 
マトモなモルトがどんどん無くなり、似て非なるたくさん飲めないモルトが増えてくると
ど~しても普通の酒場では酔うための飲み方になってしまう。
 
美味いジャック・ター・・・・飲んでないなぁ(/–)/

ポール・ジロー

「ちょっと面白いのが入ったんですけど飲みます?」
 
「そう言われて飲まないワケにはいかないでしょ」
 
 
いきなり勝負玉を投げてきたマスター
 
こっちがかなり変な物を好む事を知っていて、
自信ありげに出す酒はなんだろう?
 
 
「葡萄なんですが・・・・」
 
「何故2杯?」
 
「ポール・ジローとその仕込みに使った葡萄ジュースです」
 
「え?
 マジ??」
 
「たまたま、昨日ジュースが入荷したんですよ」
 
 
ポール・ジローとは、1650年からグランドシャンパニュ地方の東、
ブートヴィル村で葡萄造りを行ってきたメーカーで、
1970年代からは、蒸留、熟成まで自分達で手がけていて、
所謂大メーカーが作るブランデーとは2味くらい違う美味しさを持っているメジャーな酒。
 
 
ポールジロー15年・ヴィエイユレゼルブ40%
ポールジロースパークリンググレープジュース
 
 
以前からマスターから聞いていた贅沢な飲み方。
モルトを飲む時、仕込み水チェイサーにするのと同様に、
ブランデーを楽しむ時、チェイサーに仕込み水ならぬジュースをチェイサーにする・・・
 
そんな楽しみ方をできる「ポール・ジロー」は今年もそのジュースを販売してくれたのだ。
 
 
たまたま、入荷した翌日に顔を出した幸運は、
間違いなくこの飲み方をしろ・・・という事なのだろう。
 
マスターも量が少ないジュースをここぞとばかりに提供してくれて、
果実味と香りに溢れるコンビネーションを堪能した事は言うまでもない。
 
 
「この次は何を飲めって言うんですか?」
 
「甘いまま、楽しまれます?」
 
「今日の感じは、無骨よりエレガントで・・」
 
「では、デュポンのカルバドスはいかがですか?」
 
 
カルバドス・・・・
 
こいつはさらにくせ者だ。
間違いなくやられちゃうのは目に見えている。
 
 
「果実系の優しい酔い心地を楽しむには、
 これも良いですよ」
 
「はい、知ってます。
 幸せな気持ちに溶けちゃうかも知れませんが、いただきます」
 
 
その後・・・・
さらにリキュール系に流れて、フワフワのまま帰路についたのだが・・・
 
よく覚えていないのは何故だろう?(/–)/

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