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2009-07

ベルタ トレ・ソーリ・トレ

最近、グラスの中で目覚め、成長し、
そして秘めたる魅力を少しずつ振りまいて誘惑する酒が、少なくなった。
 
モルト馬鹿としてはとても悲しく思っている事だが、
現在のモルトは、最初から最後まで顔つきを変えない整形美人が多く、
野暮ったい、とっつきの悪い娘が、見事に変身していく様を楽しめる・・
なんて事はとても少なくなってしまったのだ。
 
で・・
 
前から気に入っていたグラッパ、
それもベルタの樽モノを今年の東屋に出してみたのだが、
それがあの屋外においても、素晴らしい変化を見せた事と、
口開けならではの悪阻濾紙ほどの変化の幅が楽しくて、
とうとう行きつけのバーにキープする愚行を果たしてしまったのだ。
 
 
ベルタ トレ・ソーリ・トレ グラッパ・ディ・バローロ 2001
 
 
2000年の物に比べると、やや大人しい姿を最初に見せてくれたが、
10分もしないうちにアプリコット、ピーチ、少しオレンジ、微かにナッツ、
遠くにメープル、そしてネビオーロらしい葡萄の楽しさが、
一振り毎に、一口味わう毎に、その姿を変えながら目の前に現れる。
 
ウィスキーやブランデー等に精通しているバーテンダー達も、
この異端とも言えるグラッパを良く知っているワケではないようで、
お裾分けをしてみると、「グラッパの概念が変わりました」と正直な感想が返ってくる。
 
ただ、グラッパという酒の特性で、
抜けるのが早い・・と脅されていたからか、
どれくらいの速度でへたっていくか、が気になってしかたない。
 
という事で、初日は少しだけ楽しんでやめ、
翌日にもう一度飲んでみる事にした。
 
 
あら・・・
 
確かに、昨日より柔らかい感じが顕著だな
 
おやおや?
独特の香りが出現するのも早いぞ??
 
 
という事で、例え樽で熟成したグラッパであっても、
急速に抜けていく傾向があるのは、事実のようだ。
 
だが、だからと言って、不味くなったワケではなく、
最初から楽しく美味し飲れる、というだけの事。
 
当面、この酒の抜け方を試しながらも、
抜けちゃった後に、どんなカクテルを作ってもらうか・・と考える事も楽しくて、
当分、グラッパの変化から目を離す事はできそうにない。
 
 
「あ・・・そうだ。
 これ、燃やしてよ」
 
「え?
 これも、燃やしちゃうんですか?」
 
「うん。
 だって、グラッパってさ。
 エスプレッソと相性が抜群に良いんだぜ?」
 
「なるほど。
 では、シュガーもクリームも抑えめで作ってみますね。
 だけど、グラッパでアイリッシュコーヒーを作った事無いですから、
 勝手がわからないんですよね・・・」
 
 
正直なバーテンダーである(^_^;
 
 
という事で、いつも通り作ってもらったアイリッシュコーヒーを飲んでみた。
 
 
 
 
え?
えぇ??
 
 
えぇぇぇぇぇぇ?????
 
 
 
驚いた。
 
上質なチョコレートを思わせるような、
穏やかで円やかで、決してグラッパが出しゃばらないで、
しかも何故かナッツ系の香りが出て・・・
 
 
もの凄く、美味い(^_^;
 
 
正直言って、
ナジェーナで作ったアイリッシュコーヒーも
ポールジローで作ったカフェロワイヤルも
コイツには敵わない・・・とさえ感じるのだ。
 
 
 
たまには、こういう良き出会いが
私の人生には必要・・・なようですな(^_^;

無責任

横浜市の中田市長が辞職の方向へ・・とニュースが流れた。
 
1412
 
そんなに国政へ出たいのかね?
と正直思う。
 
 
若き市長はその行動力で圧倒的支持を集めてきたが、
その一方で、マイペースに強引に市政をコントロールしてきたのも事実。
 
そのやり方には一部「おいおい?」と思わされる事もあったり
スキャンダルも流れたり・・と
ここのところ輝きが失せつつあったのは、市民として感じていたところだった。
 
民主党の与党と大して変わらない「ばらまきマニフェスト」に、
政治をリードしようとする政党としてのいい加減さを感じていた矢先、
こんなニュースを聞かされると「お前もか?」と思ってしまう。
 
  
国政も市政も、主権在民の原則から外れた感があるのは、
政治に対する無関心や無責任な感覚が、有権者の中にも存在しているからだろう。

確かにどこの政党に投票しても、
弱者保護を念頭に置かない利権政治しかなされないのなら
選挙をやっても無駄・・・と感じる事は否めない。
 
 
だが、
それでも、
選挙を放棄する事はしたくない。

最低限の権利は行使しないのは、
自ら今の政治を変えるチャンスを否定するような物だからだ。
 
  
任期途中でその座を自ら首長を辞す事は、
選挙民の意志を裏切って敵前逃亡する事と同じ。
 
選挙で託された思いを踏みにじる行為と言っていい。
 
その絶大な権力は市民の代表としてのものであり、
政策こそが手段であり、
その政策を立てた責任が必ず存在しているのに・・・
 
 
あまりに浅はかな行動しか取れない政治家が多くなったと思う今、
そろそろ本当に国を憂う人間が、
どんどん政治に参加するしかない・・・って事なのかも知れないね。

局地的豪雨からのプレゼント

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こんな風景が
ほんの数分だけそこにあった

日食

雲の隙間から見えた日食。

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子供の頃、校庭で、
濃い色の下敷き越しに見た太陽を思い出した。

次に見る事は、あるのかな・・・(^_^;

良識

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皆既日食が46年ぶりに観測できる・・・という事で、
屋久島から奄美大島に渡る地域に人が集まっているらしい。
 
その地域にあたる十島村では、
彼らを受け入れるための準備に必要なコストを上乗せしたツアー客だけを
受け入れる事とし、飲食資源や臨時電源、仮設シャワー、簡易トイレなど
その準備に走り回っている。
 
しかし、報道(朝日新聞)によると、
かなりの高額になるツアー費用を支払わず、
自前の船等でトカラ列島に上陸をした人間が
19日までに27人確認されたようだ。
 
インフラ整備費込みの料金を払っているツアー客との公平さが保てないと
村職員は島を出るように説得にあたっているが、
自前の食料や水を持ち込みテント等に泊まり込んでいる彼らの中には、
「何故、出て行かなければならないのか」と拒否する人も。
 
旅行者にとってはたった数日の上陸で
ひょっとしたら2度と訪れる事がない場所だから
良いと考えるのかもしれない。
 
「宿泊設備も食料も持ち込んで島には迷惑をかけない」と反論もするのだろうが、
「何だかなぁ・・・」という感は否定できない。
 
 
で、感じるのは、最近の世の中に蔓延している「自分だけがよければ良い」という考え方。
 
電車では、優先席を譲ってくれない人に多く出会うし、
駅のエレベータ等では、
我先に乗り込む健常者や、子供が乗ってないベビーカーを
畳まずに乗り込むカップルも、少なくない。
 
早く動けないハンディーキャッパーとしてみれば、
文句を言う前に諦める事を覚えるしかなくて、
冷たい社会を悲しむのが精一杯の反攻だったりするが、
やはり「何だかなぁ・・」と思うのだ。
  
  
3A41
 
 
ある日、
テラス席で食事を摂っていた。
 
季節は今よりも涼しく、気持ちの良い時期で、
屋外での飲食は、何とも心地の良いものだった。
 
空席があったテラス席は、
いつのまにか多くの客で賑わいだし、
私の隣には子連れのカップルが陣取った。
 
 
聞くとはなしに聞いていた親子の会話は、
ひたすら子供を甘やかすばかりの耳障りなもの。
 
その子は玩具を何度も投げ飛ばし、
傍若無人の振る舞いを見せていたが、
親は叱る事もせず放置する。
 
で、その玩具を投げ飛ばす音がうるさくて、
つい彼らを見てさらに呆れた。
 
なんとその子は靴をはいたまま席の上に立って遊んでいて、
親はそっぽを向いたまま・・・なのだ。
 
「靴ぐらい脱がせろよ」・・と聞こえるように呟きつつビールを煽ってみたが、
カップルは聞く耳を持たないらしく、無視された。
 
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もしかしたら、外のイスは汚いから・・と
わざと靴を履かせたままにしているのかも知れないが、
それはあまりに良識無い行為であり、同時に不快でもある。
 
だが、敢えてそれ以上、関わる気にはなれなかった。
 
 
何故なら、子は親の姿を見て育つもの。
他人への配慮もマナーも、親が行ってみせて、おぼえさせるもの。
 
イスの上に靴を履いたまま立っている事を放置できる親は、
同様の感覚で育ち、社会の中でもそう振る舞っている・・と想像できるからだ。
 
 
1C05
 
 
ライダーは、基本的にスペースとディスタンスを大切にする。
 
同じ道を走るライダーがいれば、
そのライダーのスペースやラインを潰すような事はしないし、できない。
 
それは、
お互いの安全の為にお互いを思いやる行動無しには
危険な交通社会を生き抜けない事を、体感的に知っているからだ。
 
そしてその当たり前に持つ「他人へ譲る心」は
結果的に自分の為になる事でもあり、
社会を成り立たせるために必要なもの、でもある。
 
ただ、そんな感覚を持って話をしても、
利己的に振る舞う人間には何も届かない事もわかっている。
 
結局、
悲しい事だけど、距離を取る事だけでしか、
身の安全は保てないかもしれないね。

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