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2005-01

artisan

アーティザン・カスクという名の付いたモルトがモレンジから出る。
 
91年にモレンジが作ったバーボン用新樽は、4年間バーボンを熟成した後、
モレンジの熟成の役を担う。
 
そうやって出来たモルトは、46%のアルコール濃度に調整され、
500mlのスペシャルボトルに入れられて市場に流れるのだ。
 
 
「試しに飲んでみます?」
 
「もちろんです」
 
 
という会話をキッカケに、いつものテイスティングが始まる。
 
 
グレン・モレンジ18年
グレン・モレンジ・アーティザン・カスク
 
 
この2杯をテイスティンググラスに入れて両方を少しずつなめながら
その違いを確かめていく。
 
 
最初は、素っ気ない顔。
香りも弱く、アルコールが舌を刺す。
 
しかし10分を過ぎる頃から、明確にモレンジらしいバニラ香を立ち上らせ、
味わいは少しスパイシーでありながらも18年に良く似た色を見せてくる。
 
舌触りは比べるのが可愛そうだが、18年には及ばない。
しかし香りは、18年とは違う素直で広がりのある、豊かな物に変化していった。
 
 
良く似ている・・・
 
と素直に感じる。
そしてそれは、凄い事だと・・・思う。
 
90年代に作ったモルトもちゃんとしている、と言える根拠を、
この一杯が雄弁に語っているのだ。
 
 
軍配は18年。
でも、コストパフォーマンスを考えたら、アーティザン・カスク。
 
 
「あの・・・何本入れます?」
 
「あるだけ・・じゃなくて、何本取れるの?」
 
「3本です」
 
「じゃ、3本入れたら?
 間違いなく私が飲んじゃうから」
 
 
 
やっぱり、馬鹿まっしぐら(/–)/

日本酒

久々に焼き鳥を食べるチャンスがあって、これまた久々に日本酒を飲んでみた。
 
「黒龍八十八号大吟醸」「翠露」
 
どっちも飲んだ事の無い日本酒だから・・というのもあるけど、
しっかり高い酒を飲むチャンスが殆ど皆無なので飲んでみた。
 
なんかさぁ・・・
 
すっきりとした飲み口に甘く豊かな味わいが、
最近の高めの酒の特徴なのかい?
 
と言いたくなるように感じてしまう。
 
すっごい美味しいのに、個性が無いように感じてしまうのは、
ウィスキーほど飲みつけていないせいだけじゃないように思う。
 
 
やっぱり、単に綺麗なだけだったり、美味しいだけだったりするのって
薄っぺらに感じてしまうひねくれ者に成長してるのかなぁ・・・自分(^_^;)

これがボウモワ?

「珍しいのが入ったんですけど飲みます?」
 
「何?
 キングスバリーのボウモワ?
 珍しいね。」
 
「ラベルがお洒落なんで、つい買っちゃいました」
 
 
そう言って出されたモルトは、確かにキングスバリー社のあのラベルではなく
オフィシャルっぽい雰囲気を持つこざっぱりとしたそれだった。
 
 
ボウモワ15年(キングスバリー)
 
 
「味は?」
 
「言わない」
 
「なんでよ~?
 ま、飲んで確かめろって事か・・・」
 
 
こういう場合は、予想に反した味だ・・という事。
そしてマスターがこういう場合は、恐ろしく変わった味だってサインでもある。
 
淡い琥珀色のモルトをテイスティンググラスに注いでもらって、
まずは香りをかいでみ・・・た・・・・!??
 
 
「これ・・・
 エドラダワーじゃん」
 
「凄いっしょ?
 まさに石鹸。」
 
 
驚いた。
 
エドラダワーに見られる石鹸のような香りが、
強烈に自己主張してグラスから出ていかないのだ。
 
 
「これが、時間をかけても消えないんですよ」
 
「へぇ・・・・
 でも、案外こういうキャラを持ってるモルトなのかもね。」
 
「ブラインドで出されて、エドラダワーと並べられたら
 どっちがどっちだって言えないでしょうね」
 
「て、言うか、ボウモワにこんな味わいのあるボトラーズ物が有るって知らなければ、
 どっちもエドラだって言っちゃうかも」
 
 
エドラもボウモワも、共通した香りの元を持っている・・と考えるしかないのか、
たまたま買った樽の個性でこういった味になったのかはわからない。
 
でも・・・・
これだからボトラーズ物は楽しいのだ。
 
どれを飲んでも同じような感じに仕上がっているオフィシャルではないのだから、
普段見せない顔を見せてくれてこそ飲む意味がある。
 
去年は、マッカランの変身ぶりに驚かされ、
今年は、ボウモワの別の姿にまた驚く。
 
新年早々、ボウモワに縁が深いとは思うが、
まさにこういう物だ・・・と決めつける「だろう運転」のような生活に
喰らわすカウンターパンチを1・2でもらった夜だった。

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