Home > アーカイブ > 2008-01-10

2008-01-10

仕事は人望で?

 

 「相談って何だよ?」

 

 「オヤジってどうやって使えばいいの?」

 

 「へ?

  あ・・・、俺がオヤジだからか?」

 

 「あはは

  そうじゃなくて・・・

  何故か私、部下を持つ事になっちゃったのよ」

 

 「へぇ

  進歩だ」

 

 「もう・・・

  でね、とにかくその部下ってのが使えないっていうか・・・」

 

 「はいはい、わかりました。

  お兄さんに話してごらん」

 

 

 突然、人の上に立つ事になった友人に呼び出され、

 相談を受ける事になった。

 

 こっちは、関内に見つけたパブが楽しくて、

 ゆっくりエールを飲むつもりだったのに・・・(^_^;)

 

 

 「例えばどこがダメなの?」

 

 「やる気がない。

  問題を追求しない。

  仕事に興味を持たない。」

 

 「ウチだったら、異動〜首の部下ですね」

 

 「無理」

 

 「だよねぇ」

 

 

 使えない部下は、大学院まで出た50歳。

 仕事に対する思いはそれなりにあるようだが、

 全てにおいて、要領が悪いらしい。

 

 

 「高学歴か・・・

  もしかして、仕事、ナメてない?」

 

 「どうだろ・・・

  でも、資料集めを依頼すると、ろくな資料が揃わないし、

  ちょっと考えればわかるような事も見落とすし」

 

 「ふむ

  じゃ、きっと、プライド高いでしょ?」

 

 「あぁ・・・確かに。

  でも、こっちは年下だから下手に出て、

  おだてるとどうにか仕事してくれる。」

 

 「解決方法、既にわかってるじゃん」

 

 

 エールのパイントグラスが空になったので、

 ブラック&タンをオーダーする。

 

 

 「で、仕事的には何が問題なの?」

 

 「あのね、大して揃わない・・と言い切った資料も、

  実際に私が動くと、担当課の連中がメモまで作って揃えてくれるのよ。

  私が欲しかったのは『こういう資料なの』と叫びたい感じね」

 

 「あ〜

  そりゃ、そうだ」

 

 「え?」

 

 「あのね、仕事ってのは、人脈・人望でやるものなのね」

 

 

 若い頃は、同じように仕事をしているのに、

 スタッフが先輩がやる時のように動いてくれなくて、

 凄く悔しい思いを随分した。

 

 どうみても、先輩と自分の仕事に差は無くて、

 いや、自分の方が良い出来だ・・と自負さえしていて、

 準備も落ちが無く、進行もそつなくこなしているのに・・・

 周りが動いてくれない。

 

 何故だろう?・・・と、悩んだものだった。

 

 だがそれは、

 年を経る毎にわかってくる。

 

 チームで動く仕事は特に、

 それに関わる人間の感情1つで仕上がりに差が出るもので、

 その感情を理解しコントロールするためには、

 スタッフからのリスペクトが必要なのだ。

 

 そしてそれには、日頃の仕事から見える力量や、

 スタッフをどう扱っているか、という行動が大切で、

 それぞれの感情を動かせるだけの経験や力があってはじめて

 チームは自分の力以上のものを出せる「組」になる。

 

 

 「君が行けば、望む物が出てくるんでしょ?」

 

 「うん」

 

 「だから君は、部下を持つ事になったんだよ」

 

 「え・・?」

 

 「君の為に動こうとしてくれる人達が少なからずいるという事は、

  実力も人望もあるって事だよ。

  で、そういう人が上で動かないとダメなのが、組織なのさ。

  肩書きだけのダメな上司もいるかもしれないけど、

  君を上に上げた人は、君のそんな力をもっともっと発揮して欲しい

  って思ったんだろうね」

 

 「そうかなぁ・・・」

 

 「うちの社長の口癖にあるんだけどね、

   『人間には2種類あって、上から引き上げてもらう人と

 

Home > アーカイブ > 2008-01-10

検索
フィード
メタ情報

Return to page top