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2009-01-07

派遣切り

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派遣村の話で、
否定的な意見を吐く人が多い・・と聞いた。
 

確かに個人の自由で選んだ職だから、
不景気で切られても自業自得と言えるのだろうけど、
それはあまりに表面しか見ていない意見だな・・と思う。

バブルが弾けても社会がどうにか盛り返せたのは、
ハッキリ言って規制緩和と言う名の
口利き屋復活制度(派遣法の緩和)のおかげだ。
 

企業は安価に労働力を得られ、
必要無い時は後腐れ無く切り捨てる事ができるから、
派遣職員を多く導入した。

その結果、正社員達の給料を支払う事ができ、
給与格差は大きくなり、社会は格差社会に転じてしまった。

で、この不況。

当然の結果として、真っ先に切れるコストから順次切られ、
派遣従業員も当たり前のように切られてしまった・・・と。
 

でも、ここまでは誰でもわかる事。

当たり前に起きる事として、
派遣として生きる人達には認識が必要だった・・という事実。

・・だけど、
本当に、派遣という生き方を選んだ人の責任なのだろうか?

 

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それは・・
違うと思うんだよね。
 

この派遣切りの問題は、派遣法の規制緩和を行う事で、
当面の就業人口の低下阻止を狙った政策、の問題が大きいと思う。

グッドウィルの問題も今回の派遣切り騒動も、
厚労省は最初っから想像できていたはず。

だからこそ派遣法は過去、厳しく規制がかけられ管理されていたのだし、
不況になっても職を失いそうな職種には現在だって規制もしくは制限が存在していて、
それでも、給与格差を生むこの業態を許可している事は、
間違いなく今の社会を歪ませた・・と言って良い。
 

勿論、それは綺麗事で、安くても職が無いよりはマシだった・・・
というあの時代を考えれば全て悪いとは言い切れないけど、
それでもやっぱり規制緩和した政府の責任は
間違いなく大きく存在していると思うんだよね。

だから・・・
地方自治体がなけなしの予算の中から救いの手を出そうと動いたり、
厚労省が講堂を開放したりするのだろう・・と邪推してしまったりするワケだ。

ただ、今の就職難は尋常じゃない。

 

派遣を切られて、基本的人権さえ守られそうにない・・・
とそこにフォーカスする以前に、就職できない人達への対策を
もっと厚くするべきなんじゃないか・・と思う。

敢えて派遣の生き方を選び、資格を持ち能力を高めて高コストで仕事を得られる人や、
マトモな就職活動もせずニートに近い生き方の中で派遣を選んだ人は別としても、
就職口を増やすために行った緊急避難的規制緩和の是正をしなかったツケは、
就職難そのものを加速させ続けているように感じている。

 

弱者に救いの手を伸べるのは、役所としては当たり前の事。
その手段や範囲に公平性を持たせるのも、当たり前の事。

2兆円の税金をばらまくような愚策を断行するより、
長期に渡って社会保障が得られるような施策を考えて欲しいと思うのは
私だけなんだろうか・・・・ねぇ(^_^;

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