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派遣切り

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派遣村の話で、
否定的な意見を吐く人が多い・・と聞いた。
 

確かに個人の自由で選んだ職だから、
不景気で切られても自業自得と言えるのだろうけど、
それはあまりに表面しか見ていない意見だな・・と思う。

バブルが弾けても社会がどうにか盛り返せたのは、
ハッキリ言って規制緩和と言う名の
口利き屋復活制度(派遣法の緩和)のおかげだ。
 

企業は安価に労働力を得られ、
必要無い時は後腐れ無く切り捨てる事ができるから、
派遣職員を多く導入した。

その結果、正社員達の給料を支払う事ができ、
給与格差は大きくなり、社会は格差社会に転じてしまった。

で、この不況。

当然の結果として、真っ先に切れるコストから順次切られ、
派遣従業員も当たり前のように切られてしまった・・・と。
 

でも、ここまでは誰でもわかる事。

当たり前に起きる事として、
派遣として生きる人達には認識が必要だった・・という事実。

・・だけど、
本当に、派遣という生き方を選んだ人の責任なのだろうか?

 

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それは・・
違うと思うんだよね。
 

この派遣切りの問題は、派遣法の規制緩和を行う事で、
当面の就業人口の低下阻止を狙った政策、の問題が大きいと思う。

グッドウィルの問題も今回の派遣切り騒動も、
厚労省は最初っから想像できていたはず。

だからこそ派遣法は過去、厳しく規制がかけられ管理されていたのだし、
不況になっても職を失いそうな職種には現在だって規制もしくは制限が存在していて、
それでも、給与格差を生むこの業態を許可している事は、
間違いなく今の社会を歪ませた・・と言って良い。
 

勿論、それは綺麗事で、安くても職が無いよりはマシだった・・・
というあの時代を考えれば全て悪いとは言い切れないけど、
それでもやっぱり規制緩和した政府の責任は
間違いなく大きく存在していると思うんだよね。

だから・・・
地方自治体がなけなしの予算の中から救いの手を出そうと動いたり、
厚労省が講堂を開放したりするのだろう・・と邪推してしまったりするワケだ。

ただ、今の就職難は尋常じゃない。

 

派遣を切られて、基本的人権さえ守られそうにない・・・
とそこにフォーカスする以前に、就職できない人達への対策を
もっと厚くするべきなんじゃないか・・と思う。

敢えて派遣の生き方を選び、資格を持ち能力を高めて高コストで仕事を得られる人や、
マトモな就職活動もせずニートに近い生き方の中で派遣を選んだ人は別としても、
就職口を増やすために行った緊急避難的規制緩和の是正をしなかったツケは、
就職難そのものを加速させ続けているように感じている。

 

弱者に救いの手を伸べるのは、役所としては当たり前の事。
その手段や範囲に公平性を持たせるのも、当たり前の事。

2兆円の税金をばらまくような愚策を断行するより、
長期に渡って社会保障が得られるような施策を考えて欲しいと思うのは
私だけなんだろうか・・・・ねぇ(^_^;

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コメント:6

shige 09-01-07 (水) 15:14

冒頭、「派遣村の話」と書いたら、そりゃ否定的な見解をする人は多いと思うよ。
何故なら、派遣の首切りの問題と派遣村の問題は別のことであって、
多くの人はまったく別の話と切り分けて考えている人が多いから。
派遣村に集まる人の多くは左翼活動家に煽動された人たちがメインじゃん。
派遣村のblog見ると面白すぎちゃうよ。誰も同情しないよ。

派遣村の話ではなく、派遣の首切りの問題として、
冒頭の文の次から以下はある程度納得できるんだけどね。
就職難かどうかは理解に苦しむけどさ。
自動車のライン工を望むならそりゃないかもしれんけど、
今まで製造業の派遣でやってきた人が就けるような就職口は山ほどありますよ。
(表題が派遣切りであるから、大卒の新規採用などのことは抜かし、派遣切りにあった人の)

しっかし、小泉改革と称して行ったことに対して、一期目のみならず、
郵政解散以降も国民の多くは純ちゃん純ちゃんと熱狂して票を入れたのだから
仕方あるまいと思っちゃう。
政府が悪い?馬鹿言っちゃいけないよ。国民の多くが望んだんじゃないか。
派遣法や労基法もそう。障害者自立支援法なんかもそう。
自由競争だとか市場原理だとか、新自由主義経済だとか、
そういう政策がどういうものか見えてもなお、
純ちゃん純ちゃんと票を入れたじゃないか。
それどころか、未だに純ちゃんが総理をすべきとか言う人いるんだからね。

それは国民が悪いと思うのだけどね。
そんな自分で物事を考えずに、簡単に煽動されちゃう馬鹿ばっかを
作った教育がいけないんですかね。

某若 09-01-07 (水) 16:59

まぁ、派遣村って事だけを見ると、
私も否定的な見解に傾くけど(^_^;

ただ、派遣免許を持つ側としても、
派遣を受ける会社の総務部長をやってる人間としても、
この派遣法については理解不能な部分が多いのよ。

戦後のどさくさの時代に、
安価なマンパワーを多く欲した企業と
仕事を求める(というか日々の糧を得る為に)働き手の仲介をした口利き屋が、
大きな利権というパワーを持ってしまって社会が荒れた結果、
派遣は法律で厳しく規制されて社会は安定した。

なのに派遣の認可業務を増やし、半日単位からの派遣を認めてしまったから
派遣という名の日雇い労働者が企業論理に振りまわされた。

人間は欲が深いから、バブルで失った金を取り戻そうと、
社会構造を戻す前に私利私欲に走って・・・

責任問題で言えば、
政治家はもとより馬鹿だし、
それを上手くコントロールする役人も相当に偏っている・・と思うから、
そんな政府を選んじまったのは有権者だぜ?って、声高に言うしかない。

政府は、正社員雇用の助成を始めているし、
就職口として許認可事業の枠拡大も行っていて、
長く就労できる環境作りには動いている。

でも、そういう「期間の定めの無い労働契約」を結ぶ、
という意味での就職難は、凄い物があるな・・・と感じているのは事実だし、
だけど、就職したい人達にもまだ綺麗事を吐いてる部分はあって、
選り好みをしているんじゃないの?って事例にもよくぶち当たる。

そんな事を考えながら、派遣労働者の実体を調べていると、
やっぱり派遣会社の搾取構造の酷さも見えてくるので、
派遣という形の労働力確保は、そろそろ歯止めをかけないとヤバイんじゃないの?
っていう気になるんだよね。

もし、教育に問題があるとしたならば、
家庭内での教育(というか躾?)にこそ問題があるんじゃないかな・・・と思う。
勿論、親の教育も含めての事だけど。

moyuzo 09-01-07 (水) 21:17

これまで自分が何を信じどう生きてきたか。

何があっても生きていける・・と 思える生き方を
してきたかどうかで 見方なんてどうにでも変わると思う。

誰かをアテにして 半ば人任せでお気楽な
人生を送ってきた人には キツイ のかもしれないけど。

好景気、不景気・・なんて その人の物差しで変わると思う。

難しい漢字ばっかり並んでる読み物もニュースも
はっきりいってよくわかりません。

今 見えていることだけが 果たして 現実なのだろうか。

と 思って生きています。

(まったく 論点がズレていたら ごめんなさいです)

某若 09-01-08 (木) 16:50

個として考えれば、
「今、見えていることだけが、現実か?」と
思わない日はないですね。

そして、それほど、今の世の中は「変」だな・・・と。

銀月 09-01-09 (金) 13:55

某若さん
年賀状ありがとうございます。
写真展、是非お邪魔したいと思います。

派遣切りって問題が根深いですね。
私も交通事故でケガして、社会復帰する時に結構大変な思いをしました。
幸い、資格と経験で今の会社に拾ってもらいましたが、やはり中途採用の中年ですから総合職の枠からははみ出てしまいました。
ハッキリ言って、出世無しの平社員です。
おかげで、プロジェクト内ではリーダーでも社員等級は専門職の女子事務員さんと変わりません。(笑)

でっ、再就職活動をしていた時の話ですが、派遣や請負の案内が月に15~20件は来るのに、正社員としての仕事は本当に少なかったですね。

まあ、技術屋としての派遣とか請負契約なんで50万~80万/月でしたけれど、不要に成れば直ぐに切れると言うのは変わらないですね。

家庭持っている身でまだ15~20年働かなきゃいけないんで、安定した仕事を第一条件としてましたけれど、あの時あと数ヶ月仕事が決まらなければ、派遣か請負で妥協したかも知れません。

実際、同業の技術屋でも好まない職替えで人生が転落しているように見える人も知ってるし、あの時は中年のフリーターやホームレスをTVや新聞の中のことでなく、実生活の近いところで意識しましたね。

ほんのチョットのきっかけで、自分もなりうると実感しました。

シゲさんのお話も分からないでもないですが、弱い立場の人間は自己防衛にも限界があると思います。
それが因果応報であったとしても、目の前で死に体となってる人間を相手に説教するより、先ず飯食わしてあげたいと思うのが人間の優しさだと思うんです。

炊き出しに駆けつけた方や近所の飲食店の店主はそんな気持ちで参加したんでしょうね。

プロ市民や思想屋さんたち、政党も何であんなところでアピールしなきゃいけないのか分からないけど、派遣村は何人かの命を救ったと思います。

資本主義社会で生きていくのは競争原理に基づく生き方を強いられるのは当然です。

しかし、転落しそうな人間に対して、再起のチャンスがあまりにも少ないのが日本の現状だと思います。

昨夜も家人と話していましたが、少なくても我が家は1万2000円はいらないと思います。

2兆円は雇用確保に繋がる景気対策に使ってもらいたいですね。

しかし、日本経済って言うか経営者諸氏は弱くなりましたね?
ほんの少し前まで、不況だってリストラしてたのが、チョット景気が良くなると浮かれて非正規社員を技術継承のために正社員にしよう!って言ったと思ったら、為替と市況のダブルパンチで新卒の内定取り消しに派遣切・・・こんな短期間に何やってんだか?

あ~愚痴っぽく成ってきました。(笑)

写真展、楽しみにしてます。
家人と一緒に楽しみたいと思います。

シゲさん
今年も宜しくお願いします。
マシン、乗り換えました♪
今度は空冷Lツインです。

shige 09-01-11 (日) 22:43

銀月さん
こちらこそ、今年も宜しくお願い致します。
空冷のLツイン。それはもしや…、僕の大好きな…。
東屋で見せて下さいね。多分5/30になるのではと勝手に予想。

僕が思っていることのあらかたは、某若や銀月さんの言うことと、
そう違ってはいないのです。
僕の1/7のコメントの最初2つのパラグラムに書いてあるとおり、
某若の書いた本文の冒頭二行の書き方から行くとおかしいでしょ。ということです。

書いてある文章全体の本質で読み取ることは大事だけど、
リード部分で「派遣村」と書くと、どうしても派遣村の問題になっちゃうわけです。
今のこの問題というのは当初派遣切りと言われていた問題。
そして、今は雇い止めなんて言葉を使うところが出てきていますが、
派遣に限らない正社員の首切りの問題。零細企業を中心とした倒産の話と、
根は深いはずなのですが、年末からのこの問題を余計に見えにくくしているのは、
テレビや新聞で派遣村のことをクローズアップさせて、視点がそこへ行き、
本質を見えなくさせてしまっているのだと思います。

銀月さんの文章の中の、「派遣村は何人かの命を救ったと思います。」という部分。
そりゃそうでしょうけど、しかし、派遣村は政治利用のものです。
今、昨日、一昨日といったデータは知りませんが、年末や年始の時点ですぐに働けて、
住居もついている求人はたくさんあったのです。きっと今もあることでしょう。
でも、それらに応募する人は少ないようですね。その状況を見ただけでもおかしいのです。
働く意志を持っているけど、でも、何らかの理由により働けないとか、
何らかの理由により補助が必要というならわかりますが、
働き場所があるにもかかわらず、働かずにいて、住む場所を寄越せ、金寄越せ、生活保護出せ。
というのが正しいとは僕は思えません。

派遣切りの話と、派遣村の話はまったく別なのです。
根は、雇用全体の問題として、様々な問題があり、
それを是正する話になると思いますが、その一側面として派遣切りの話は
つながりますが、派遣村の話には繋がらないはずなのです。
今発表されている完全失業者数は256万人でしたっけ。記憶なので曖昧ですが。
さらに増えるであろうその全体に対することではなく、500人?の活動家と、
活動家に煽動された連中のことってまったく別でしょう?

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