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2008-04-30

魅力

  「鈍感って言うか、馬鹿って言うか、
  とにかくコッチの求めてる物が伝わらないのよ」

 「高望み?」

 「そんな事は無い。
  難しい事は言ってない。」

 「君から見れば当たり前の事でも、
  世の中にはできない人の方が多いんだと思うよ。
  だから君はその立場にいるのだから・・・」

 

 色々な場所で、言葉が通じない・・・という愚痴を聞く。

 言葉の使い方がかなりのスピードで変化しているのは事実で、
 言葉の後ろにある思いがストレートに伝わらないのはある程度認めるが、
 問題は伝える側と受け取る側の能力差にあるように感じている。

 

 「そう言えば最近、ケンカしなくなったね」

 「ケンカにならない・・・
  って言うか、そんなにケンカっ早かった?」

 「何かあるとすぐ手を出す20代、手を出さずに理論で罵倒する30代、
  貯める事を覚えても必ずどこかで爆発する40代・・だったんじゃ?」

 「はいはい・・・」

 

 20代は、自分を磨く時期。
 体力が充実している時に、様々な経験を積む事と同時に、
 人生の方向性も一応探る時期でもある。

 30代は嫌でも責任がついてきて、自分のスタイルも確立できて、
 実はそこからが大人としての人生と言っていい。
 

 

 「チームをうまくコントロールするコツって何?」

 「俺が聞きたい」

 「よく言うよ。
  何十人ものチームをちゃんと動かしてるじゃん」

 「仕事だからね」

 「仕事だから難しいのよ。
  趣味の世界なら、基本的に同じ方向向いてるじゃん」

 「逆だよ。
  仕事は、仕事だと割り切る事ができるから、
  好き嫌いを若干だけど越える事ができるのさ」
 

 

 チームを率いる為に必要なもの・・・と聞かれて思うのは、
 「私を捨ててチームの為に動く気持ちと行動」

 その「チームの為に」という考えが無い人達は、
 間違いなくチームワークを乱す。
 

 

 「そんなの当たり前じゃん」

 「あはは
  当たり前って思ってる辺りが、甘い」

 「え?」

 「馬鹿で浅はかなヤツほど、立場や肩書きを欲しがるし、
  そういうヤツは口では上手い事言っても、自分の事しか考えていないのさ。
  そして実は、そういうヤツが凄く多いんだよね」

 「・・・そうなの?」

 「うん」

 

 度合の問題ではあるが「自分さえ良ければ良い」という人間が
 どれだけ多いかは、多分、誰しもが感じている事だろう。

 自分を確立するのに10年かかるとして、
 その後の10年は集団で生きる事を学びつつ自分も磨き、
 そしてその後の10年でどれだけ魅力を纏うかが、その人の地位を決めるのだ。
 

 

 「チームを率いていくのに必要な物は何だと思う?」

 「経験と包容力、そして目的に対する強い意志?」

 「50点」

 「何よ、それ?」

 「リーダーの魅力だよ」
 

 

 チームの方向を決め、責任を持ち、
 例え1対100であったとしても1対1としての距離感を持って個々と接っし
 目標に向かう為には嫌な事も苦しい事も背負いながら、
 出た成果をあくまでチームの物として喜べる。

 そんなリーダーは、
 間違いなく魅力に溢れている。

 そしてその魅力は、物理的な物ではなく精神的な物であり、
 それこそがリーダーとして必要な能力と言っていい。

 人は、自分にはない物を持っている人に魅力を感じる。

 物理的な魅力は持って生まれた物であり、場合によっては加齢によって色褪せるが、
 経験によって培われた魅力は磨こうと努力し続ければ、いつまでも増していく物だ。
 

 

 「あの人に言われたら、断れないってあるだろ?」

 「うん」

 「それが『魅力』の力なんだよ」

 「そうなのかなぁ・・」

 「その『魅力』は、行動に裏付けされた物・・と考えればわかるだろ?」

 「じゃ、君はダメね」

 「え?」

 「行動が・・・・ねぇ」
 

 

 どうやら、まだまだ、修行の途中・・・らしい(/–)/

 

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