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日記的雑感 Archive
フレンチナックル
- 2006-10-08 (日)
- 日記的雑感
「このモルトでなんか作ってくれない?」
「これは・・・難問ですね。
でも、ちょっと考えますね。」
マッカラン1977(ダグラスレイン Old&rare)
を使ったカクテルを所望した。
勿論、酷いオーダーだって事はわかっているけど、
マッカラン飲みとしては魅力に薄いこのシリーズ。
ならば上質なモルト故に表現できる妙を味わいたい・・・
と思ってしまったのだ。
「お待たせしました」
「え?」
「かなりのクセ玉ですが・・・」
クセ玉なんてもんじゃない。
目の前に出された物はおよそカクテルとはほど遠い格好をしていた。
「洋なしのシャーベットです。
手持ちのシャーベットではアプリコットしか無かったので
レストランに走って持ってきました。
と言う事で、本日コレ、ラストワンです。」
そう・・・
洋なしのシャーベットにモルトをかけたシンプルなカクテル。
名前は・・・無い(^_^;
どんな味がするんだ?・・・
と味わってみる。
洋なしの出しゃばり過ぎない甘さに、
マッカランの柔らかく穏やかな味わいがマッチする。
そしてより際だつアルコール・・・・
美味い(^_^)
「これ・・絶妙かも」
「アプリコットじゃ甘過ぎちゃうし、
レモンじゃ強すぎますので。」
「名前は?」
「・・・ありません」
「なんかさ、剛速球が来ると思ったら、
いきなり子供騙しのようなフォームで繰り出されるナックルボールのようだ。」
「すいません、クセ玉で。」
「子供騙しだと思ったら、そのまま大人も騙されるような美味しさだねぇ・・・」
バーテンダーは応えずにニコッと笑った。
毎度、彼にはやられている。
想像もつかない取り合わせの中から、
予想外の美味しさを味わされてばかり・・・だが、
今回の発想には正直、驚かされた。
誰が、シャーベットとプレミアムモルトの組合せを
考えつくのだろう・・・・
相当のモルト馬鹿が頼むアクセントには
並の素材では対応しにくい・・という考えだと思うが、
その発想が並じゃない。
だからこそ、難問をぶつけたくなるのだが、
毎回想像以上の味を提案されて、納得させられてしまう。
この引出の多さが、物作りを担当する人の魅力となるのだが、
自分自身はどうだろう・・・と跳ね返ってくる考えに、襟を正す気分にさせられる。
たかがカクテル。
されどカクテル・・・か(/–)/
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Millennium Blend
- 2006-09-24 (日)
- 日記的雑感
久々にシガーを出した。
香港に行く度に買ってくるのは,
国内では手に入りにくいプレミアムシガーで,
この前行った時には,ZINOのプラチナ・クラウンシリーズの中から
「バレル」と「ストレッチ」
ダビドフの「ミレニアムブレンド・ロブスト」と「アニベルサリオNo.3」
そしてコヒーバのロブストを買ってきた。
もちろんちゃんとしたヒュミドールなんて持っていないが,
風呂場の鏡の裏に置く事で温度と湿度を管理する・・という荒技を使って,
それなりに熟成をさせている。
1年以上おいたダビドフのスペシャルRは,その方法でかなり美味しくなったから,
今回仕込んだ物もそれなりに期待はしているのだが・・・
買ってきたシガーをチェックしてみたら,ミレニアムブレンドのロブストにカビが発生していた。
シガーのカビは有る程度仕方がない。
ラッパーに発生するカビを払うブラシもあるくらいで,
大きく気にする必要はないのだが,カビをそのままに熟成させる事は勧められない。
で,熟成を諦めてとっとと吸う事にした。
表面のカビは払い,カットした面のカビは弾いて飛ばし,
そのうえに軽く炙って削ってから,着火した。
プレミアムシガーらしい穏やかな味わいの中に,
ビターなチョコレートとカラメルを感じる。
しかも軽やかに,かつ広がっていく余韻。
こんなシガーには・・・ブランデーが良い
からヘネシーのエクストラを合わせてみた(^_^)
至福の時・・としか言いようがない。
穏やかな酔いと贅沢な時間を,
自分のためだけに使っている・・・・
こんな時間をちょっとでも持たないと,
やっぱり心が荒むのかも知れない・・とあらためて思う。
ここのところ,ギリギリで頑張りすぎたから,
とりあえずシガーでも吸え・・とカビが生えたのかもしれないね(^_^;)
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エマニュエル・ルジェ
- 2006-08-18 (金)
- 日記的雑感
漫画のおかげで凄く人気が出てしまった
ブルゴーニュのワイン職人、アンリ・ジャイエ。
親族にも優れた職人が何人かいるのだが、
その中でエマニュエル・ルジェが注目されているのは
その漫画の中で取り上げられたからだろう・・・。
巷ではその煽りを食って
ルジェのワインにもプレミアムが付いてしまった。
で・・・
本当に美味しい1級の記載があるクラスは、殆ど見なくなってしまったのに・・・
偶然にもあるワイン屋で見つけてしまった。
「ヴォーヌ・ロマネ・レ・ボーモン 2000年」
もしこれが1999年の物だったら、無意識に手にしていた事は間違いないが・・・
それにしてもルジェのレ・ボーモンは滅茶苦茶美味いのは、事実だ。
値段は・・・
25000円をちょっと切った感じ。
ちょっと・・・高い。
でも、ある事が奇跡的・・・
で、陳列棚を見ると・・・
ルジェのブルゴーニュ・パストゥグランが並んでる・・・
え?
マジ??
で、よく見てみると2002年のパストゥグランの他にも
フィリップ・パカレのワインもあったりして・・・
この店、さりげなくヤバイ・・感じ(^_^;)
しかもさらにヤバイのが、店のボトルを買ったら、
チャージを払うと奥のカウンターで飲めるようになっている・・・
パストゥグランは飲んでみたいけど、1人で1本飲みきるのはなぁ・・・・(^_^;)
すいません・・・
猛暑にやられた馬鹿の戯れ言です。
在庫が結構あったので、パストゥグランは1本仕込んで
自宅でゆっくり楽しむ事と・・・します(^_^;
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マッカラン・グランレゼルバ1980
- 2006-07-31 (月)
- 日記的雑感
「今回の目玉はコチラ、マッカラン1980です」
「へ~」
「実はコレ、すでに2世代前のマッカランで、
ある意味最後のマトモなマッカランと言ってもいいかもしれません」
東屋で封を切ったマッカランは、
何故か何時も誰も手をつけない代物だった。
1979の影に隠れた1980レゼルバは、確かに比べると見劣りがする酒ではあったが、
平べったい瓶のシリーズが出てしまった今、この世代のマッカランは
欲しくても手に入る事が殆ど無い・・と言ってもいいだろう。
何故なら、モルトのロールスロイスと紹介され、
モルトを飲まない人でも名前は知っている・・という認知度のおかげで、
80年以前のマッカラン、とくにプレミアム物(レゼルバや25年など)は呆れるほど高値がついているのだ。
で、久々のマトモなマッカランは・・・・
恐れ入った・・・(^_^;)
柔らかさと豊かな香り、
そして時間によって開いていく変化の幅・・・
上質なマッカランにだけ存在する、ブランデーかカルバドスのような甘く深い味わいは、
ウィスキーはちょっと・・・と言う人さえ魅了していく。
「これ・・・、既に26年も経ってるお酒なんですね」
「確かに・・・」
「こんな飲みやすくて円やかなウィスキーは、飲んだ事がないですね」
「これより新しいマッカランは、マッカランでは無いかも知れません。
ロックか水割りで飲むようにできちゃってますから」
今回の東屋は、モルト馬鹿があまり揃わなかった結果、
貴重なマッカランはまだ瓶に少し残っている。
コイツを、フラスコに入れて・・・・
飲みたい時にグビッと・・・
幸せだなぁ・・・・(^_^;
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インディペンデンス・クーラー?
- 2006-07-26 (水)
- 日記的雑感
「この蒸し暑い日の一杯目にふさわしい何かを作ってくれない?」
「ジローで・・ですか?」
「はい」
「わかりました。
すっごい物、作ってみます。」
バーテンダーがニヤリとわらった。
その笑顔を見て、彼が何かを企んでいる事を感じる。
ポールジローの横に赤ワインとシャンパンを出した彼は、
グラスにシュガーと氷を入れレモンジュースで溶いた後、
赤ワインとポールジローを入れ、最後にシャンパンでグラスを満たした。
赤い葡萄のような綺麗な色に、スライスレモンが色を添えて美味しそうだ。
しかし・・・
ブランデーのワイン&シャンパン割りって・・・・
どっかのワイン産地のローカルドリンクに似てるなぁ・・・(^_^;)
(そこでは、一升瓶に入ったブランデーを湯飲みに注ぎ、
そこに一升瓶に入ったワインを注ぎ足すワイルドの飲み方が
当たり前に普通の家庭で行われていたりする)
飲んでみると・・・
スッキリとした柔らかい味わい(^_^)
見た目より甘くない・・・と感じるのは、
砂糖が入ってる・・と思う先入観か。
レモンジュースがそれぞれの個性を抑えるためか、
いつまでも飲み続けてしまいそうなほど飲みやすく楽しい。
「これって甲府流?」
「いいえ、れっきとしたレシピのある飲み物なんです。
インディペンデンス・デイ・パンチとかクーラーとか言われる物で、
本来はボトル単位で作る物なんですが、意外に楽しいでしょ?」
「独立記念日に飲むワインクーラー・・・みたいなものだね。」
「暑い日にはおすすめです」
たまにはこういう遊びをしないと、
酒の飲み方を忘れてしまいそうで恐い・・・ね(/–)/
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