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日記的雑感 Archive
大人げない
- 2007-02-18 (日)
- 日記的雑感
いつものようにモルト馬鹿1号と2号は,最近不定期開催の壁の会を開催した。
気持ちよくスタートを天空のバーで行ってから
2階の定位置に移動したら,そこにはちょい悪オヤジを気取るナイスミドルが占領中。
もちろん「どけ!」なんて無粋な事は言いません。
楽しい酒席は皆で分かち合う物で,
久々に友達と飲む事の方が大事なんですが・・・
そのオヤジは「なんだコノヤロー目線」をいきなりくれた。
普段はち~っとも腹が立たない目線ではあるが,
若かったら間違いなく次はボディコンタクトが始まる位のキツイやつだ。
既に酒が入ってる私には,穏やかに受け流す余裕が失われつつあった。
と,その頃,もう1人のモルト馬鹿の横の客は,ウンチクをこねながら,
プチ壁を自慢する嫌なヤツだったらしい。
「あのさ,今日は壁の日なんだから,久々に出したいんだけど」
「一応バーテンダーに聞いてからね」
「すいませ~ん,今日壁の日なんで全部出してもらっていい?」
「いいですよ」
受け答えをしてくれたのは,
まだカウンターに立つようになって間が無いルーキーだった。
そう・・・
最近,自分達のボトルを全部(推定40本?)出すのは認められていない二人にとって,
その言葉は悪戯心を大いに刺激する一言になってしまったのだ。
「今,出して良いって,言ったね?」
「えぇ」
「ここで全部出して・・・と言うと,皆『ダメです』って言うんだよ?」
「大丈夫です。」
馬鹿二人は顔を見合わせて,大笑いをした。
「んじゃ,よろしくお願いします。」
「はい」
革のジャケットにごま塩になった髪をリーゼント風にまとめ,
ちょっと斜めになった眼鏡をかけ,たくさんのつまみを前に並べた隣のオヤジは
ビールをチェイサーにバーボンをショットで煽る・・というスタイルを作っていて,
煙草の煙をわざとこっちに吐きながら挑発するような目線をさらに投げつけた。
面倒くさいな・・・
とりあえず,この店ではそれなりの常連客なんだと,
理解していただこう・・・
とことん酒好きだと解ったら,
ケンカの売りようも無いだろうし・・ねぇ(-_-;)
サイドバッグからコヒーバのロブストを出し,
ボトルが並ぶを眺めながら,点火する。
そんな私を見て,ショットグラスバーボンを眺めるだけのオヤジは,
さらに「なんだこの小僧」という顔をして見せたが・・・
バックバーのキャビネットからボトル山ほど出てくるに従い,
段々顔の向きが変わっていった。
「こんなにあったっけ?
あ・・でも,まだ出てないのがあるな」
「えぇ,あとアドベッグが3本とブランデーが2本・・」
「ナジェーナもあるだろ?」
「あ,あります,あと2ショット分くらい残ってます。」
「何だよ,まだナジェーナ持ってるのかよ?」
「あぁ,愛知の友人が来たらスィートデビルとアイリッシュコーヒーを飲ますために,
キープしてあるのさ」
「ふ~ん。
で,俺のはまだ出てないけど,本当に出すの?」
「・・・失礼しました」
悪戯が過ぎました(爆)
結局彼の分と私の分を合わせて20本程度にボトルを整理し,
久方ぶりの壁気分を味合わせていただいた。
ふっと気付くと,さっきまで偉そうにバーテンダーを呼びつけて,
文句を付けつつバーボンを注がせるオヤジはすっかり静かになり,
反対側の兄さんも連れに酒のウンチクを語るの控えてしまったようだ(^_^;)
これで静かにモルトを愛でる事ができる(^_^)
バーは酒を愛で,楽しむ所。
酒は楽しさの幅を広げ,
悲しみを少しだけ和らげてくれる妙薬だ。
競争や格好付けは無粋でしかないのだから,
隣の客がどんな客でも気にしないで飲めば良い。
「なんかさぁ・・ロックで飲んで楽しい酒は無い?」
「今,フェアでニッカの鶴17年がありますけど,オススメです。」
もう1人の馬鹿が悪い癖を出す。
本当に酒には目の無い二人だから,
飲んだ事の無い酒を勧められるとつい・・・飲みたくなってしまうのだ。
で・・・
彼の前には,綺麗な白い陶器ボトルが置かれてしまう・・・
最近まで熟成年が記入されていなかった鶴に,
わざわざ17年と入れる辺りにニッカの意地を感じたので,
ちょっとだけご相伴にあずかったら・・・
スッゲー美味いじゃん(^_^)
ニッカ,見直しました(マジ)
美味しい酒が飲める事が,やっぱり幸せなんだなぁ・・・
と思った夜,
散々に酔った後でやっと「大人げない事をした」と反省した(/–)/
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コルドン・ブルー
- 2006-12-08 (金)
- 日記的雑感
飲む香水と称されるマーテル社のブランデー「コルドン・ブルー」
ボルドリの原酒を使い30~35年熟成と言われるこの酒は、
傑作の誉れ高い銘酒ではあるが、若い頃は高くて手の出ない一本だった・・と記憶している。
その後、自宅のすぐ傍に開いた店でこの酒を飲めた時は、
働いて稼げた事に凄く感謝した事を思い出す。
(それくらい美味く感じた・・(^_^;))
最近ウィスキーからブランデーにちょっとだけシフトしている私に目を付けたのか、
行きつけのバーでフェアだから・・・と勧められてちょっとだけ飲んでみた。
あれ・・・・?
こんなにそっけなかったっけ??
ポールジローの25年やヘネシーのエクストラ、
ジャン・フィユーのトレヴューと比べるのが間違いかも知れないけど、
とにかく香りが立たない。
スニフターに入れて30分以上かけてみたが、
豊かな芳香や変化は乏しくて、随分と質が落ちてしまったように感じた。
勿論コイツは30年以上寝ていた酒。
口開けで注いでもらった酒を評論すべきではないが、
思い出とは遠く離れた味わいにかなりがっかりしたのは事実。
何にしても思い出は美化される物だから仕方ないが、
もう少しこなれた頃、もう一回飲んでみよう・・(^_^;)
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グレンキンチー1986
- 2006-11-25 (土)
- 日記的雑感
たまにはローランドモルトもいいな・・・と思いながらリストを眺めていると、
グレンキンチーのアモンティリャードフィニッシュがあった。
どっちかと言えばオーヘントッシャンのカスクが好きなのだが、
アモンティリャードフィニッシュと聞くと、シェリーの甘さが楽しいと想像できるので、
無意識にそれをオーダーしてしまう。
グレンキンチーは優しいローランドモルトでありながら少しスモーキーな個性があって、
飲みやすくかつスコッチらしさのある上質なモルトの1つでもある。
そこにシェリーの中でも甘い部類のアモンティリャードの樽を使ってダブルマチュードする・・
となると、果たしてどんな変身を見せるのか・・が想像できなかった。
思いっきりシェリー?
もしくは甘さが先に立つ腰抜けなモルト?
そんな想像をするよりも、スルッと飲んでしまおう(^_^)
え?
思ったよりシェリー香は・・無い。
そして少し時間を置いて開いてくる香りは、
ローランドらしい穏やかさの中に、しっかりとしたスモーキーさと
ベタベタしないほのかな甘さに桃や洋なしを思わせる香り。
そして何よりも良いのは、密やかながらも意外に長く続くフィニッシュだった。
う・・・・む
最近、こうやってモルトと対峙してないなぁ・・(^_^;)
そういやここのところブランデーに浮気していて、
ヘネシーのエクストラやジャンフィユーのトレビュー、
ポールジローのエクストラヴィユーがもっぱらの愛飲飲料となっているのだ。
グランド・シャンパーニュの20年オーバーの銘酒は、
30分以上の時間をもらってどんどんと開いていって、かなり楽しい。
そして私にとっては、ほとんど身体に負担がこない葡萄の酒だから・・・・・
だが、久々に飲んだモルトの美味しさが、
モルト馬鹿魂に火を点けたらしい。
そして・・・
クイックイッと飲み過ぎた後は、
足取りも軽く帰路についたはずなのだが、
よく覚えていない(^_^;)
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ロイヤルマイルのマッカラン
- 2006-11-01 (水)
- 日記的雑感
「何を飲まれますか?」
「そこの棚に、魅力的な物がありますね。
ブラックアダーのロウカスクシリーズが。」
「モルトがお好きでしたら、こんなのはいかがでしょう?」
え・・・?
ロイヤルマイルじゃん・・・
しかもマッカラン1974だ(^_^;)
「え・・・、これは珍しいですね。
よく有ったなぁ・・・」
「ご存知ですか?」
「ご存知も何も、これの68年マッカランを飲んで、
マッカランにはまったんだから」
「まだ倉庫には数本残っていますよ」
「へぇ・・・有る所には有るんだねぇ」
イベントに参加した後、友人とフラッと寄ったバーで、
奇跡的な再会をした「ロイヤルマイル」
その名の通り、エジンバラのロイヤルマイルにあるこの酒屋は、
上質なモルトを樽買いして瓶詰めで売ってくれる知る人ぞ知るボトラーだ。
で、このボトラーの酒は出会ったら必ず飲むようにしているのだが、
初めての店ではコストがわからない。
「これはショットいくらですか?」
「3500円です。」
やっぱり・・・高い(^_^;)
「ハーフでいただいてよろしいですか?」
「はい、もちろん」
「しかし・・・よくあったなぁ・・」
「そんなに美味しかったですか?」
「そのマッカランは今でも私の中では一番美味いマッカランですが、
その後、1937年のマッカランを5万で買った事があって・・・」
それにしてもいきなりショット3500円のレアモルトを持ってくるとは、
結構なケンカ腰ではある(^_^;)
「酒は注ぎ方で味が凄く変わるんですよ」
「ワインもモルトも変化を楽しむものですから、
グラスの相性も大事ですね。」
「スニフター3種類ありますが?」
「その小さいのはいつも私が使ってるやつなので、そちらを・・・」
これが彼に火をつけたのかも知れない。
滅多に見ないそのテイスティンググラスは、
元町のタカラダで見つけたシェリー用のグラスで、
繊細な薄さと大きさが心地よい飲み口を約束する。
そんなグラスを日頃使っている・・・と言ってしまったワケだ(^_^;)
「こちらのニッカの限定品のカスクはお飲みになった事はありますか?」
「あります。」
「え?」
「青山にニッカ直営のウィスキーしか置いてないバーがあって、
そこで様々なカスクを頂きました。
それはもう・・・今のマッカランなんて逃げ出すような美味しさで・・」
「問題は注ぎ方なんですよ。
上手に注がないと、おいしくならないんです。」
「そうでしょうね。
でもそちらはブレンダーの方が来たりしている店ですし・・・」
そんな彼は、モルトをグラスの真ん中に泡立たない強さで
すっと注いでみせたが、オールドモルトが最初の注ぎ方だけで開くワケはない。
もし彼が「そのまま30分置いておいて・・」と言ったらもう少し優しくなれたろうが、
22年も寝ていたモルトは案の定ガッチリ眠り込み、
しかもトップノートは残念ながら最初から抜け気味の状態でしかなかった。
おそらく、このレアなモルトの価値と価格のバランスが解らない客は
この酒をワザワザ飲みはしないだろう。
つまり、口を開けてからかなりの時間が経っている事は容易に想像できたし、
事実瓶内熟成は劣化の方向へと進行しているのは明らかだった。
それでも・・・このマッカランは凄い。
豊で嫌味のないシェリー香は健在で、
カスクストレングスを感じさせない穏やかなアルコールとエステルを感じる。
「美味いなぁ・・・」
「いいでしょう?」
「こうなるとチェイサーにシェリーが欲しくなるね」
「・・・・この後はどうしましょう?
一番美味いモルトを飲まれちゃったので・・・
思いっきり方向を変えて山崎・・とか?」
「ベネディクティン、あります?」
「・・・ございます。」
「カットレモンをつけてストレートでください」
バーテンダーは思いっきり悩んでいた。
シェリー樽で仕込んだモルトをチェイサーはシェリー指定で飲むような客は
そうそうこの店では無いのだろう。
まして、オールドモルトの後に方向転換としてリキュールのストレートだ。
そして彼は、次の酒を選ぶ事を放棄した。
「ケンカ売ってる?」
「売ってる・・・ほどじゃないけど、
それなりに。」
「サントリーの看板が出てたからマトモな酒無いと思ったけど、
結構当たりだったね」
「うん。 こうなるとココで落ち着きたくなっちゃうね。
それより、彼が注いだ竹鶴は味が変わってた?」
「・・・・」
そうですか(^_^;)
カラカラカラ・・・・
とシェーカーの音がする。
氷のぶつからない軽やかな音だが、
バーテンを見て驚いた。
なんと彼は、片手で手首を中心に捻りながらシェーカーを振っている。
しかも腕は目一杯伸びて妙なボディーアクション付き・・・なのだ。
「すいません!ブルックリン、ください」
「はい」
「今更カクテル?」
「あのシェークを見たら、ステアも見たくなった・・・」
ステアは・・・・
普通だった(爆)
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ブルックリン
- 2006-10-19 (木)
- 日記的雑感
「ブルックリンっていうカクテル知ってる?」
「・・えっと、ジンベースだよね?」
「違うよ、ウィスキーベースだよ」
「え?」
そんな会話を酒好きとした事があって、
昨晩はそんな話をバーテンダーにぶつけてみた。
「ブルックリンは所謂マンハッタンの亜種なんですが、
サントリーのカクテルブックにはジンベースのカクテルも記載されてますね。」
「え・・・? そうなの?」
「はい」
「じゃ、ヤツが言ってたのは勘違いじゃなかったんだ」
「そうですね。
でも、ジンベースのブルックリンって、凄くレアだと思います。」
「で、ウィスキーベースのブルックリンはどうやって作るの?」
「飲みますか?」
「えぇ」
ロングモーン1975にノイリープラットのドライベルモットを合わせ、
マラスキーノとカンパリ(本来はアメール・ピコン)をワンダッシュ。
ステアで作られたショートカクテルは、
ベースにしたマッカランの甘さを巧く際だたせて、
抜群に美味かった。
「これ・・・馬鹿美味・・・」
「正解でした?」
「ロングモーンとバランスが良すぎ」
「本来はライがベースになりますから、合うだろう・・と思って」
「こうなると次もカクテルが欲しくなるなぁ」
「じゃ、次はロングドリンクかロックスタイルはいかがですか?」
「ロックスタイルがいいなぁ・・・」
「甘くてもいいですか?」
「もちろん」
「ラスティ・ネイルかゴッドファーザーですね」
「ゴッドファーザー?」
「お疲れの時には、甘さが優しいですよ」
マッカラン1978・ラムウッドフィニッシュ40mlに
アマレットを20ml。
氷を入れたオールドファッショングラスにそれぞれを注ぎステアするだけの
ビルドでできる簡単なカクテル。
「え・・・
甘いけど美味いねぇ・・」
「マッカランの良さが消えてないでしょ?」
「うん、モルトに対しては冒涜だけど、
なんかこういうのも嬉しい」
こうやって馬鹿の夜は更けていく・・・(/–)/
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