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2010-01-15

手相?

D1741
 
「君の手相は・・・
 あぁ、凄いねぇ・・・
 
 お金、貯まるね。
 それと、長生きするね・・・
 
 良い手相だなぁ・・
 こんなの見た事ない
 
 あ・・でも、
 好きになったら独り占めしたいタイプ?・・・かな」
 
 
隣に座ったカップルは、
男性がちゃんとしたビジネススーツで
女性はそのスーツに見合う程度のお洒落着で、
バランスの取れた感じがする微笑ましい2人だった。
 
男性は両手で彼女の手に触れながら、手相を見ている。
 
両手の掌を上に向け、その手を両手で包むように触りながら、
実に細かく、丁寧に、しかも言葉を選んで説明を続けている。
 
 
私は、ただ食事がしたいから・・・と入った店だったが、
廻りはカップルばかりで、いささか居心地が悪かった。
 
目のやり場に困る・・と言うか、
孤独感を加速させる・・と言うか、
とにかく、自分だけが場違いな感じがしてしまう。
 
最初に出してもらったビールが無くなった頃、
オーダーしたパスタがやってきた。
 
 
「でね・・・
 この線が綺麗にMの形になってるでしょ?
 これがまた、良い手相なんだよね」
 
 
ビールを一杯、ゆっくり飲み干しても、
彼の手相見は終わらない。
 
何とはなしに見ていると、彼は彼女の手を握り、
時に腕まで触り、ひたすら手相の話を続けていた。
 
 
「おまたせしました」
 
 
パスタがやってきた。
 
コショウをミルで挽いて振りかけ、
チーズをかけてもらい、ビールをもう一杯頼んで
空きっ腹にパスタをくれてやる。
 
 
うん・・
やっぱり、ニンニク&唐辛子&トマトソースは、
ビールに合うよねぇ・・(^_^)
 
 
で、ゆっくり食べて、
2杯目のビールを飲み干して、
さぁ、勘定・・・という事になって隣を見ると、
まだ、彼は彼女の手相を見ていた。
 
 
よくもまぁ・・
ずっと手相の話だけできるもんだね・・・と思いつつも、
彼女の手を握りたい人がやる古典的な手法だ・・・と思いつつも、
30分近く彼女の手を握ったまま、一生懸命な彼を許す彼女を見れば、
もっと握ってて・・・と言わんばかりの幸せそうな顔。
 
要するに、2人とも手を握り合っていたいんだね(^_^;
 
・・・と思ったが、なんとなく清々しくて、気持ち良い。
 
 
あんな気持ちは
何時、どこに、忘れてきちゃったんだろうね(爆)

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