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2009-10-11

珠江飯店 閉店まであと2日

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中華街の良心・・とまで言われた味を誇る「珠江飯店」は、
第二次世界大戦後、「銘珍」という名の食堂を祖とし、
食品・雑貨店の「耀盛號」とともに曽一家の努力によって
その地位を築いてきた。
 
菜香、菜香新館、匠、耀盛號、悟空、悟空茶荘、菜香菜、悟空茶吧、菜香食品・・・
 
グループ展開をし幅広く経営してきた一家ではあるが、
菜香(市場通り店)は閉店、菜香菜(私家厨房菜)は焼肉厨房菜として独立、
と陰りが見えていた。
 
そして・・・
衝撃の「珠江飯店閉店」のニュースが流れる。
  
 
確かに横浜中華街では、
客単価が5000円以上の店は苦戦していた。
 
「大珍樓」は別館を閉鎖し食べ放題を始め、
「招福門」や「皇朝」等の新参食べ放題店が流行り、
中華まんばかりが売れる・・・など
不景気が思いっきり反映された姿が見えていた。
 
そして、小規模で経営していた店舗は次々に撤退し、
その後に入るのは東京資本の上辺だけ中華・・・な店。
 
これでは、中華街まで来る意味として成立するのは
その形だけ・・と言われても仕方がない。
 
また、名店と呼ばれる店や人気店は、既に東京進出を果たしている店が多く、
わざわざ中華街まで来て味わう意味は既に無いのかもしれないが。
 
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随分姿を変えた中華街の中で、
わざわざ行こうと思える店は多くない。
 
珠江飯店、重慶飯店、華正樓、聘珍樓、楽園、桃花、蓬莱閣、同發、・・・・
 
あれ?
あまり無い??
 
そう・・・
想像以上に、行きたい店がどんどん減ってきているのだ。
 
 
こりゃ、ヤバイじゃん?
食べられる時に食べておかないと、マズイじゃん??
 
2度と味わう事ができなくなる、なんてものじゃない。
もの凄い勢いで、横浜中華街の根底が崩れ去っているのかも、知れない?
 
という思いもあって、閉店間際の「珠江飯店」に行ってみた。
 
 
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思えば、中華街で美味しい「海老チリ」が食べたい・・というオーダーをもらって、
「海老チリ」なんて食べるもんじゃねぇよ・・とも思いつつ探した店だった。
 
以前から、広東料理の名店として名高い店ではあったが、
敢えて蝦に特化した料理を探してみると、良い蝦を使った料理が多くある事に気付く。
 
そして出会った「揚げ車エビのサウザンアイランドソース炒め」は、
「海老マヨ」のイメージを覆す美味さがあった。
 
 
「海老の威化紙堤揚げ」「海老入り蒸し餃子」等の点心メニューや
車エビをつかった「海老チリ」などの定番料理、
季節野菜の炒めものや土鍋仕立ての豆腐&海老のすり身・・のような料理まで、
海老づくしのコースを組み立てても充分すぎるほど楽しめる。
 
以来、海老料理を食べるなら「珠江飯店」という図式が
私の中にできあがっていた。
 
 
それほど店が何故?・・・という思いがあったが、
相当に客が減っていた事と、味が落ちていた事があったようだ。
 
つい最近行った人間によると、
「以前のイメージで行ったら怒るよ」と言わしめる程のダメさと
週末なのにほとんど客がいない・・という現実だったとか。
 
 
でもね
2度と食べられない可能性が高い、思い出の料理です。
 
ダメならダメでも良いから、食べたいんです。
 
という事で食べてみた。
 
 
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「揚げ車エビのサウザンアイランドソース炒め」
 

 
お・・・・
 
おぉ・・・・・
 
 
コレだよ、コレ!
 
 
確かにソースの味わいはちょっとだけ酢が前面に出て来る感があったけど、
あの素晴らしい海老の食感は健在だった。
 
思い出の海老チリも食べてみる。
 
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美味いじゃん・・・ねぇ(^_^)
 
 
通称「カニ爪」と呼ばれる、カニの揚げ物。
中華風クラブケーキか?(^_^;
 
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やばい・・・
美味すぎる(・_・、)
 
 
 
この連休で店を閉める為に、
こうやって味を惜しむ客が殺到する事を予測したのだろうか。
 
敢えて個室を取って食べた事が良かったのかもしれないが、
(以前も、個室で食べる方が美味しいと言われていた)
とにかくあの味わいは健在だった。
 
 
残すところ2日。
 
今から個室を押さえるのは難しいかもしれないし、
料理単価が3000円近い料理を食べるのは考え込むかもしれないけど、
気になる人は行ってみてほしい。
 
 
 
しかし・・・
残念です。
 
 
 
「珠江飯店」
横浜市中区山下町164
11:30~21:30(L.O.21:00) 
045-681-4136
 
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