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2009-04-21

一杯のモルト

忙しい時にこそ、
一杯のモルトをゆっくりと楽しみたい。
   
スペイサイドのような、
エレガントで優しいモルトではなく、
アイランズやアイラ系のガッチリとして、
思いっきりピートが効いた、しかもカスク物が良い。
   
   
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ボウモワは好きなモルトでは無いけれど、
店に小さい樽でキープされているカスク物は別だ。
   
スタンダード品の嘘くさいトリミングされた味わいとは違って、
優しさも強さも、甘さも塩っぽさも極自然に調和されている。
   
   
「このモルトはもう随分と、横浜の空気の中で生きています。
 専用の注ぎ足し用モルトは勿論使っていますけど、
 それでもお飲みになられるお客様が少ないので、
 実は結構熟成が進んでいます。
 お勧めです」
   
   
そんな誘惑をバーテンダーから受ければ、
もう、気分はボウモワだ(^_^;
   
時間をかけても表情を変えない今のモルトに慣れてしまうと、
このカスクストレングスの多彩な表情には、今さらながらに驚かされる。
   
   
「そう言えばさ・・・
 スーパーノヴァ、入ってるよね?」
   
「勿論、ファーストロットを3本押さえてあります。」
   
「この店で、アドベッグのカスクを確実に買う客って、
 そんなに居るの?」
   
「はい。」
   
「私もその中に?」
   
「えぇ」
   
   
  
ほんと・・・
モルト馬鹿です(^_^;

アドベッグ・スーパーノヴァ

「入った?」
 
「到着しています。
 開けますか?」
 
「もちろん」
 
 
毎度の事です。
入ったら、すぐ開けて飲む。
 
このルールは、
例えどんなに稀少なモルトであろうと、
例えどんなに高価なウィスキーであろうと、
変える気なんて、全く無い。
 
 
もともとピーティーで有名なアドベッグ。
 
その中でも10年物は非常にピーティーだが、
その10年物の倍はある・・・と言われるスーパーノヴァ。
 
超新星というネーミングが、
爆発的な刺激を予感させるが・・・・
 
 
あれ?
 
何じゃこりゃ??
 
 
 
え・・・・っと
コレって、アドベッグ・・・ですよね?
 
 
 
何て言うか、
ウッド物が得意なモレンジが、
とち狂ってアイラモルトを作ってしまった・・・・ような、
上品でスムースな味わいがそこにあるのだ。
 
 
 
あれあれあれ・・・
 
って言うか・・・
まだ寝てるモルトに、なんて事を言うんだ?>自分
 
 
という事で、放置です。
 
少なくともこの感じでは、
30分は変化を見せないのでは?
・・という気配が濃厚なので、
チェイサー代わりにルネッサンスを飲んでみる。
 
 
そうそう・・・
これが新しいアドベッグのカスクだよねぇ・・・
 
変化は乏しいけど、ソリッドでピーティーで、
後から訪れる濃厚な甘さが楽しい・・・・
 
 
あれ?
 
いや、そんなに甘くない?
 
 
 
 
どうやら・・・
スーパーノヴァの味わいに影響されちゃったようだ。
 
 
そして30分・・・
 
 
あ?
 
これは????
 
 
ピートの香りが、より強くなっている。
 
そして味わいは、
最初のスムースな感じの中に、
チョコレートにも似たアロマ、さらには麦の穂を思わせる独特な植物、
それも少し枯れて乾燥したような感じ・・・
 
そしてその後に続く余韻の長い事・・・
 
甘さの厚みが増し、バーボン樽に顕著に現れるあのバニラ系の味わい、
そしてピーティーなクセに味わいにはあまり影響しない不思議なバランス。
 
 
アルコール度数、58.9%を感じさせない柔らかさと、
ピートの奥に隠れた複雑な味わいは、久々にヒットだ。
 
ただ今日は、口開けの一杯。
 
少し放置して、瓶内熟成が進んだら、
もう一度試してみよう。
 
 
 
しかし・・・
 
相変わらず、馬鹿、まっしぐら・・・です(^_^;)

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