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2008-07-27
子燕
- 2008-07-27 (日)
- 日記的雑感
「これは・・・交換した方がいいですね」
「やっぱり・・・ダメですか」
「バッテリー全然反応しないですかねぇ」
車のエンジンをかけようとしたら、
セルが回らなかった。
で、20年以上会員でいるJAFに救援を求めたのだが、
車検を取るとき指摘された通り、バッテリーの寿命を宣告されてしまった。
「どうします?
新品がございますけど、交換しますか?」
「それはもう・・・お願いします。」
これで、23000円の出費となる。
が・・・・
仕方がない(・_・、)
何時でも動かせるようでないと、
車を所有する意味は無いのだ。
JAFのサービスマンには、
暑い中の作業に対するせめてもの気持ちで、
水のペットボトルを差し入れ、仕方なく作業を見ている事にする。
しかし・・・暑い(^_^;
こんな日は、沖縄のように鳥もヘロヘロしているんじゃないか・・・と
何となく駐車場の木立を見ていると、電線に留まった小鳥が見える。
あれ?
なんか・・・マジ、ふらふらしてるぞ??
何だか、電線に掴まるのが精一杯な感じのその鳥は、
近づいても逃げる事さえしない。
よく見てみると、
尻尾が短く、クチバシもまだ少し黄色く見えて、
とにかく身体が小さい。
羽の形からして、どうやら燕の子供のようだが・・・・。
「まだかかりますから、
車の中でエアコンかけて乗っていてください」
「ありがとうございます。」
JAFのサービスマンが、汗だくな私を見て声をかけてくれたのだが、
そんな事はできるワケが無いし、しかも今は、この燕が気になっているのだ。
あ・・・
羽を広げたな?
あら、閉じちゃった・・・・
飛ぶのが恐いのか・・・な?
お?
また羽を広げた・・・・・
何度か燕は、羽を広げたり羽ばたく真似をするのだが、
その足は電線を掴んだまま、固まっている。
で、そのうちに気がついた。
燕に向かって風が吹いた時に限り、
燕は羽を広げる・・・という事に(^_^;)
ちょっと早く、
飛び立っちゃったんだねぇ・・・
もしかしたら、
巣で、そうやって羽ばたく練習してるうちに落ちた?
でも、勇気を持って飛ばないと、
ずっとそこに居るしかないよ?
飛ぶ事を怖がる子燕を見ていて、
動きたいのに動けない自分の姿を見るような気さえ、してくる。
ガンバレ!
立派な羽を持っているのだから。
大丈夫だよ、飛び出せば。
・・と、その時、一際強い向かい風が吹いた。
行け!
今だ!!
飛ぶんだ!!
子燕は、今までで一番大きく羽を広げ、
パタパタと羽ばたいた。
あ?
どうした?
なんと・・・
その子燕は、飛ぶ事を諦めてしまったようで、
羽を綺麗に畳んでしまった。
あらら・・
今のは飛べたんじゃないの??
・・・と思った瞬間、子燕は電線からダイブした。
必死に羽ばたき、
風に翻弄されながらも飛んでいく。
うん
最初から、そうやってダイブすれば良かったじゃん・・・
と心の中で呟いたが、
ふっと思う。
自分も、ああやって動かないでいる事・・・・
結構、有るな、と。
「お待たせしました。
一度エンジン止めて、もう一回かけてくれますか?」
「はい。」
一度エンジンを切ってセルを回すと、
ついぞ聞いた事が無いほど元気にセルモーターが回り、
次の瞬間、あっけなくエンジンが再スタートした。
あの子燕のダイブを見るために、
エンジンが動かなかったのかな・・・と、ちょっとだけ思う。
どうやら
今の私に必要なのは、
とにかく飛ぶ・・・・事、らしい(^_^)
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