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2006-02-08

マッカラン1977

「届いてます」
 
「え? 手に入ったの?」
 
「探しました」
 
 
あったら取ってね・・・と頼んでおいたモルトが一本届く。
 
またもや、ダグラスレインのずんぐりシリーズだが、
こいつは前から興味があった一本なのだ。
 
 
「マッカラン27年 1977」53.9%
ダグラス・レイン・オールド&レア(プラチナセレクション)
 
 
「じゃ、開けてください。」
 
「いきなりですか?」
 
「勿論。 今日はちょっと根性無いので、早めに飲みます」
 
 
最初の一杯にこんな大御所を出すのはどうかとも思ったが、
いささか疲れているので、正気なうちに飲みたかった。
 
 
「色、薄いですね」
 
「これは樽の違いだろうね。
 リフィルか、バーボンか・・・
 まぁ、飲んでみるしかないですね」
 
 
注がれたモルトを一嘗めすると・・・
 
うわ?
甘い・・・・
 
と言うか、どうだ!とばかりに甘さが自己主張する。
 
香りは・・・
見事に大人しく刺激的でなアタックも少ない。
 
だからその分、その味わいとのギャップに驚かされた。
 
 
「これ、凄いですね、最初から」
 
「驚いたよ。
 なんだか砂糖を入れたような錯覚に陥るね」
 
「比べたいから、1978のラムウッドと1968も出して」
 
 
バカヤローである。
 
ダグラスレインのマッカラン26年1978(ラムウッドフィニッシュ)と
マッカラン34年1968(ハートブラザース)を並べるなんて・・・
 
 
でも、こんな馬鹿な飲み方をしたくなるほど、このモルトは魅力的なのだ。
 
 
30分を経過するあたりから、やっと本性が出てくるが、
甘さの質が変わり、丸みを帯びる方向で変化するばかり。
 
逆に香りは弱くなる傾向にあり、ここら辺が70年代後半のマッカランらしい感じ、と言っていいだろう。
 
比べて飲む1978は秀逸であっても角が立ってて、
その個性をラムウッドでどうにかしようとした?気がするのは正直なところ。
 
久々に出したハートブラザースの1968を飲んでみると・・・
 
そうだった、マッカランって、こういう味わいだった・・・・と思い出させる、
枯れつつも華やかで穏やかな中に複雑さを秘める味わいがある。
 
 
マッカランはモルトのロールスロイスと称され、誰でも名前を知っている程知名度は高いが、
こんな古いマッカランでないとその言葉の意味がわからないのはどうだろう?
 
数多く作る事は、営利企業として当たり前の事だが、
趣向品を作る意識に乏しいと邪推したくなるほど、
現在のマッカランはただの酒だ。
 
 
1時間、経過。
 
1977は甘さが爽やかに変化し、果糖にも似た味わいに変わった。
 
その優しい味わいと柔らかな口当たりは、
オールドマッカランを探す原動力の1つに、違いない(/–)/

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