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Blackadder Macallan 19年 1976

Blackadderがボトラーズとして日本で広く認知されたのは、
ケイデンヘッズやゴードンマクファイルに比べれば日が浅い方だが、
ボトラーズモルトが実に個性的で品質も良い・・
という常識ができあがるにつれ、コストパフォーマンスの良さを買われ、
巷のバーにはそのボトルが多く存在している。
 
昨晩飲んだ一本は、まだボトラーズのモルトが安価であり、
かつ、Blackadderがまだ有名でなかった頃まとめ買いしたうちの一本で、
ストックとしては最後の生き残りマッカランだった。
 
 
ボトラーズのマッカランとオフィシャルのマッカランの大きな違いは、
その熟成に使われる樽が違う・・・という部分にある。
 
モルトのロールスロイスと言わしめる格と品質は、
現在のマッカランにはその名前のみが残り、
分析され演出されたつまらないモルトとして生き残っているが、
それでもまだ、高級品としての地位を失っていない。
 
で、そのマッカランたる部分は、熟成にシェリーカスクを使う・・・
という部分にあるわけで、ボトラーズの物はマッカランが熟成に使う樽を
入手しにくい事から、大概が違う樽によって熟成されてしまうから、
マッカランのようでいて、マッカランでないモルトとして存在することも
また、当たり前のように多いのだ。
 
このマッカラン1976年も、
手に入れた当初はトゲトゲとしたキックのあるマッカランで、
一本辺りのコストが3000円程度だった事を割り引いて、
なんとなく家飲み用としてゆっくり消費していった物だが、
昨日のプレ東屋に、その飲み残しを持っていって飲んでみたら、驚いた。
 
 
グズグズになったコルクをどうにか抜いた瞬間、
屋外だというのに、その甘い香りが広がっていく。
 
それだけでも瓶内熟成(と称する劣化)が良い方向に進み、
トゲトゲとしたキックは見事に丸みを帯びていただけでなく、
70年代のゴールデンプロミス種が持つ豊かなコクと
軽やかな焼き菓子にも似た心地よい味わいがあった。
 
 
懐かしい・・・と思わず呟くほど、
その素朴で優しい、しかもどこか郷愁を誘うような、麦の味。
 
そんなにあの時代のモルトって、美味しかったんだ・・・
とあらためて思い知る夜、
このBlackadder Macallanのカスクストレングスが
ストックに一本あった事も、思い出した。
 
さて・・・
何時飲んだら、良いものか・・・・ねぇ(^_^;)

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