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2010-12-25

クリスマスの日に思うこと

   クリスマスに何のアポも無く
   イベントにも参加しない・・・
   という事に慣れたのはいつの事だろう。
 
   そもそも、
   クリスマスはキリスト教徒のイベントだから
   仏教徒には関係ない、
   と言われて育った自分にとっては、
   年末の何かのキッカケ作りの道具にしか感じいなかった。
 
   ただ、回りがそのイベントに浮かれていると、
   自分だけ取り残されている気分にはさせられる。
 
   でも、イベントに参加してもやっぱり居場所が無いから、
   回りが賑やかであればあるほど、孤独を感じる悪循環に陥るワケで。
 
   で、大切な人と一緒にいられればそれで良い、と思うようになったし、
   日頃の気持ちをプレゼントという形にできる言い訳として、
   クリスマスを認識するようになったのだろう。
  
 

 
  
   テレビの仕事に、本格的に関わったのはもう20年以上前の事。
   そしてそれは、クリスマスや年越しには必ず仕事が入る・・・
   という生活が始まった事でもあった。
 
 
    「ねぇ、クリスマスはどうするの?」
 
    「イブの日は仕事が何時に終わるかわからないよ」
 
    「え〜
     ってわかってるけど、言ってみる。」
 
    「ごめんね」
 
    「しょうがないけど
     つまんないんだもん」
 
    「ごめんね。
     何か欲しいモノある?」
 
    「あなたとの時間」
 
    「意地悪だ」
 
    「意地悪な仕事ね」
 
    「25日はエア終わった後、翌日のコーナースタンバイだけなんで
     晩飯くらいは一緒できるよ?」
 
    「それに期待する。
     ゆっくり食事したいな」
 
    「・・・そう、だね」
 
    「予約は・・難しいのね」
 
    「うん、何時って・・・難しい」
 
    「ふぅ・・・
     電話してね」
 
 
   クリスマスに、
   フレンチやイタリアンなどの洋食系レストランを押さえるのは、
   超のつく常連で無い限り、愚の骨頂だ。
 
   日頃は固い財布の紐も緩むその日、
   日頃よりも高めの設定でセットを組む体制で
   勝負に走るカップルを盛り上げる絶好のステージなのだ。
 
 
    「ねぇ・・・
     予約取っても待たされるって、どういう事?」
 
    「しょうがないじゃん、前の客が出て行かないんだよ」
 
    「ウチで料理作れば良かったね」
 
 
   あ・・・
   その手があったか(^_^;
 
 
    「ねぇ、言ったでしょ?
     私はあなたとの時間が欲しいって。」
 
    「うん」
 
    「形なんて、どうでもいいの。
     今年1年幸せに暮らせませた。
     来年も幸せに暮らせますようにって
     家族でお祈りするのがクリスマスよ。」
 
    「キリスト教だったっけ?」
 
    「違うよ。
     でも、イベントで楽しむんじゃなくて、
     大切な人と一緒にいる事に感謝するんだって
     親に教えられて育ったの。」
 
 
   私達は、ホテルレストランにどうにか空きを見つけて
   ウェイティングバーで将来を語り合っていた。
  
   自分が、して欲しくてできなかった事を
   大切な人と一緒に自分の力で実現したい・・・
   というエゴを押しつける若さが邪魔をしたけど、
   その時、相手を思う心は本物だった。
 
   ただ、相手の心を想像する力が未熟で、
   身の程を知らない傲慢な思いだけで
   走っていただけの事。

   その結果は、言うまでもない。
  
   ただ・・・
   そんな若き日の事を思い出したのは、
   イブの昨日に、カップルで溢れかえるみなとみらいを
   一人で帰宅したからかも、知れない。
 
 

  
 

   不景気を恨んでも、
   今の日本に文句を言っても、
   今日、自分にある環境は変わらない。
  
   大切なものを確認して、
   自分の生き方を反芻して、
   明日の方向を見定めながら、
   手を伸ばした先に待っている手がある事を信じて
   次の一歩を踏みだそう。
 
   今の自分に文句を言っても
   何も変わらない事を知っているのなら
   自らの手で変えていくしかない。
 
   そんな事を考えさせられる日がクリスマスなら、
   それはそれで価値があるのかな・・・と思った。
 

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