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2005-05-20

ブレイズ・オブ・グレンリベット

シーバスリーガルの原酒として作られるこのモルトは、
オフィシャルボトルとして販売された事が無い。
 
それ故認知度は低く、かく言う私もシグナトリー社製の物を
飲んだ事があるだけだが・・・・・
その味わいはスコッチらしいキレと豊かな香り、
そして甘い後味がずぅっと記憶の片隅に残っていた。
 
毎年レアモルトを何本か入れてもらってるBarに、
何を入れようか・・・と相談していた時、
久々にこのモルトの名前を仕入れリストな中に見つけた。
 
ハートブラザース社製の89年製モルトはその味わいの記憶を瞬間的に蘇らせ、
当たり前のようにオーダーリストに加えたのは言うまでもない。
 
 
「届きました」
 
「もう?」
 
「無くなる前に押さえちゃいました。
 今日、入れます?」
 
「もちろん。
 さっそく開けよう」
 
「この名前のモルトは初めて見ました。
 現在は、ブレイヴァルという名前になってるので、
 有る意味、貴重な一本ですね」
 
「へぇ、名前が変わったのは知らなかったなぁ。
 やっぱりシーグラムはグレンリベットとの混同を避けたのかな」
 
「グレンリベットはやっぱりビッグネームですから・・・」
 
 
「ブレイズ・オブ・グレンリベット」15年(1989ー2004)50.8%
 
前に飲んだのは、2000年頃だった。
しかもボトラーが違うから、味わいも別物だと考えなくてはいけない。
 
しかし・・・・
はやる気持ちは抑えられないのだ。
 
テイスティンググラスに注がれたモルトを一口啜って驚く。
 
え?
こんな味だったっけ??
 
最初の一口は、デュワーズに代表されるようなスコッチらしい味わいで、
50%オーバーのアルコールが存在を必要以上にアピールする物だった。
 
しかしそれは、口開けしたばかりの一口。
これで判断してはいけない・・・と気を取り直す。
 
シグナトリー社製のモルトはもっと優しかったかな・・・・
と思いながら起こしていくと、甘い香りがどんどん膨らむと同時に
爽やかな酸味と豊かなエステルの存在が際だってきた。
 
あぁ・・・これだったかも知れない。
 
デュワーズに感じた味わいはダルウィニーのような味わいに変化し、
15分を超えるあたりから青リンゴのような香りが目覚めて、
どんどん姿を変えていく。
 
この変化が、
最近の加水モルトにはあまり感じられないんだよなぁ・・・
とつくづく思う。
 
マッカランに至っては、赤ラベルのカスクストレングスでも、
変化の幅が少なくなっていて、その方向性を私としてはどうしても
良しとできないでいるのだ。
 
35分経ったところで、豊だった香りが姿を失い、
味わいは甘さが全面に出た穏やかな物になっていた。
 
飲み頃20~30分位。
そしてその変化の幅は大きく、楽しい。
 
89年製のモルトも、最近の傾向はあるものの、
侮れない物だ・・・・という事が良くわかった。

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