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2005-05-14

FineOak18年

「これ飲んでみない?」
 
「どうした?
 ニューマッカランなんか買って」
 
「食わず嫌いは良くないジャン。
 ちょうどフェアで安くなってるし、入れてみた。」
 
「よりによって18年なんて・・・」
 
「そう言うからには飲んだ事があるんだな?」
 
「飲むわけないじゃん」
 
「飲まずに嫌ってちゃだめじゃん」
 
 
そんな会話の後、テイスティンググラスにその酒は注がれて
私の前に佇んでいた。
 
 
マッカラン ファインオーク 18年(オフィシャル)
 
 
そう、あの平べったくなったボトルのマッカランだ。
 
丸ボトルも2000年頃より順次ラベルが変わり、
思いっきり味わいが変わった事はすでに周知の事実だが、
それを上回るほどの変化がある・・・と言われている平ボトル。
 
既に2000年以降のマッカランを飲む気力が無い私にとって、
今さら平ボトルを飲む意味も無いのだが、確かに飲まずして語るべきではない。
 
そう思ったから、勉強の為に飲んでみた。
 
 
スッキリとした飲み口。
 
マッカランらしさがあまり無いのはシェリーカスクを使ってないせいか・・・
 
アメリカ向けの赤ラベルや丸ボトルの12年物にも似た独特の味わいがあって、
最近のマッカランらしい味わいはちゃんとある。
 
 
「割とマトモじゃん」
 
「味はね。」
 
「何だよ、その言い方は?」
 
「まぁ、じっくり飲んでみてよ」
 
 
勧めてくれたヤツが、ちょっと悪戯っぽく笑った。
 
最近の18年物マッカランにしては飲みやすいが、
エアリングによって開く香りはあまりに乏しい。
 
その変化の幅の狭さが、若いマッカランに似てると感じたのか、
オークを使った所以なのかはわからない。
 
しかし、30分置いても変化が見られないのは事実で、
最初っから飲み頃になっていて変化させない作り手の意志が
私にはさみしく感じられてならなかった。
 
 
「美味いだろ?」
 
「初めてマッカランを飲んだ人間は、
 美味しいと言うだろうね。」
 
「ま、ゆっくり飲んでよ」
 
「なんか、意味ありげだね?」
 
 
ヤツはニヤッとわらって、宮城峡を舐める。
 
最近のニッカは、私達の中では既に飲むべきウィスキーとして認識され、
既に今のマッカランより遙かに美味しい余市モルトを
手に入れやすくして欲しいと祈る日々を過ごしている位だ(^_^;)
 
1時間経っても、大した変化も広がりも見せないファインオークに見切りをつけようと
ちょっとピッチを上げて飲み出すと・・・・それは始まった。
 
 
「あ・・・・
 何か頭痛くなってきた」
 
「やっぱり」
 
「え?」
 
「頭痛くなるっしょ」
 
「マッカランのせい?」
 
「この前、俺が飲んだ時も、そうなった」
 
「えぇ?
 って事は、国産??」
 
「な、わけないと思うけどさ・・・・」
 
 
サントリーには申し訳ないけど、
サントリー製のウィスキーを飲むと何故か頭痛に悩まされる。
 
安いウィスキーを飲むとその上に悪酔いしやすくなる。
 
だから、一時期ウィスキーが嫌いになったわけで・・・・
 
 
「わかってて飲ませた?」
 
「そう」
 
「はぁ・・・」
 
「やっぱしさ、分かち合いたいじゃん」
 
「ま、実験してみたかったのは事実だしなぁ。
 しかし、どーなってんだろな?」
 
「サントリーですから」
 
 
頭が痛くなるのは、アセトアルデヒドのせいか、それとも酒の中にある
味わいの基となる雑味の成分に身体に合わない物があるか・・だ。
 
サントリーの作るウィスキーには、私には合わない何かが入っている。
 
それは、例え山崎であろうとも確実に存在し、
その結果、一杯以上はどんなに勧められても飲みたくないと
思う根拠になっている。
 
 
さてここで、仮説を立ててみよう。
「サントリーの酒を飲むと頭が痛くなったり悪酔いする」・・・と。
 
サントリーはミズナラを熟成に使っていたとホームページで紹介しているが、
そのミズナラは木の成分が強すぎて長期熟成に向かないと正直に書いてある。
 
つまり山崎蒸留所発の短期熟成モルトには、そのミズナラの成分が含まれており、
その原酒は色々なブレンデッドウィスキーに使われたはずだ。
 
さんざん使い回されたミズナラは、最後の最後で素晴らしいカスクになったと言うが、
それまでブレンダー泣かせだった酒は、もしかすると私にとって
頭が痛くなる成分の一つだった可能性は否めない。
 
ブレンデッドだったら、モルトを薄めるグレーンに問題がある可能性もあるが、
山崎を飲んでも同じ症状が起きるので、そう考えたくなる。
 
さてここで、さらに恐ろしい仮説をもう一つ立ててみよう。
 
「マッカランのファインオークはミズナラのリフィル」・・・と。
 
 
山崎はマッカランを目標とし、響はバランタイン目標としたと
私はどちらも飲んでみてそう感じている。
 
特に山崎は、様々なシェリーカスクを試している事が
限定品などを飲んでみるとよくわかる。
 
今回飲んだマッカラン18年ファインオークは、
マッカランらしさをちゃんと纏っていたから、たぶんダブルウッドだと考えている。
(まったくシェリーを使わないマッカランの顔を知ってるだけに)
 
そのファインオークが、ホワイトオークではなくてミズナラであっても、
その表記には何の問題もない。
 
最初にシェリー樽を使って熟成した後、ミズナラ樽で熟成を進めると・・・・
熟成に使ったミズナラ樽はどうなるだろう?
 
マッカランを纏ったミズナラ・リフィルカスクになるのだ。
 
そしてその樽で山崎を熟成したら・・・・
 
 
マッカランは新樽をシェリーメーカーに送り、シェリーを作る際に使ってもらい、
空いた樽で熟成している。
 
そのシステムをサントリーが取り入れたっておかしくない。
 
ミズナラで作った樽をシェリーメーカーに送ったり、
ワインメーカーに送ったり、例えばマッカランで使ったりした後、
熟成にまわしているとすると・・・・・・・
 
 
あくまで仮説。
なんの根拠もありません。
 
でも、
この頭の痛さを説明できるのは、
サントリーが売っているウィスキーに共通する・・という
一点しかない。
 
 
ごめん!
きっと新しいマッカランの長期熟成品は、
二度と飲まないと思う(/–)/

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