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ジャックス

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「お久しぶりです」

「お元気でしたか?」
 
 
ジャックと話をするのは久しぶりだ。
 
 
間門の店も今や歴史の重みが刻まれるほどの風格が出てきたが、
それより驚くのはジャックの元気な事。 
   
中華街で店をやってた時代となんら変わりないように見えるほどで、
初めてジャックスに訪れたのが今から20年は前の事だから、
ある意味脅威的な若さである・・・と言っていい。
  
  
「いつものにしますか?」
  
「はい、もちろん(^_^)」
  
  
そう、この店では
「ニューヨークカットステーキ」(300グラム)を2人で分けるセットを、
誰かとシェアして食べるのが私のスタンダードになっている。
  
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「相変わらずの迫力ですね」
  
「今日はちょっと肉多めに切っちゃいました。
 これで400グラムあります。」
  
  
どうりで、でかい(^_^;
  
  
若い頃は、「スモールサーロイン」(150グラム)を、よく食べていた。
  
理由はそのコストで、
どう見ても表示されている以上に大きく見えるステーキが、2500円だったのだ。
  
羽振りが良い時は「シザリングステーキ」(230グラム・4500円)を食べたが、
ボリュームに圧倒されつつもコストパフォーマンスが良いと感じていたし、
そんな若僧の頃はそれで充分に贅沢で幸せだ・・・と思っていた。
  
  
「できる事ならニューヨークカットを食べて欲しい。
 コストの問題もあって、ニューヨークカットに使う肉と
 スモールサーロインに使う肉、シザリングステーキに使う肉は全て違うから、
 一番美味しいニューヨークカットを1度は・・と思うんですよ」
  
   
と、ある時「ニューヨークカットステーキ」を勧められて食べた時は、衝撃的だった。
  
とにかく、こんなに味が違うの?・・と思うほど何もかもが違うし、
2度と他のステーキは食べられない・・と感じるほど、美味かったのだ。
  
以来、誰かを「デブの道」への道連れにして、
このステーキばかり食べてきた。
  
  
形が悪くても美味しいサーロインの端っこの肉や、

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凄く美味しい脂身、そして今日のように多めに切っちゃう日もあって、

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とにかく毎回、今日はどんなステーキだろう・・と思ってしまう。
 
 
ただ今日は、
ちょっとばかりジャックに元気が無かった。
  
それを気にかけて声をかけると、
懇意にしている客を送ってきて疲れた・・
と彼は説明する。
  
  
「ここのところ不景気で、お客様がいらっしゃらなくて・・・」
 
 
昭和時代の憧れの料理「ビフテキ」を今に伝えている貴重な店でありながら、
店で出会う他の客にあまり若者の姿は無いから、
常連と言える客は当時からの客が多いのでは?・・と思えば、
高齢化した常連には彼のパワフルな料理は手強い事もあるだろう。
  
そんな事を考えながらも、自分はやっぱりここのステーキが好きだから、
いつまでも食べられるように健康でいたい・・と思っている。
  
  
ただ、ジャックも既に80歳を超えている。
  
あと20年、このステーキが食べられたら、それはもう奇跡でしかなく、
だからこそ今、間門まで足を運ぶ価値がある・・と思っている。
   
  
「ご馳走様でした。
 また来ます。」
  
「ありがとうございます。」
  
  
最後に待っていたのは、
いつもと変わらない、素敵なジャックの笑顔だった。
    
  
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「ジャックス」
 045-621-4379
 横浜市中区本牧間門43-14
 17:00~23:00(LO 22:30)
 月曜休

コメント:4

Bill 09-07-03 (金) 22:32

はじめまして。
 
とはいえ、一度お見かけしたことがございます。
今年1月のランドマークでの写真展にて、当時の連れと一緒にうかがい、貴重な時間を過ごさせていただきました。
 
それ以外にもCity of Lost Tシャツを購入したり、movieを拝見したり。
かれこれ5年来ちょこちょこお邪魔しております。
 
思えば学生時代に食べたステーキが忘れられず、横浜でステーキ屋さんを探していた折にたまたま某若さんのサイトにヒットして、侍に行こうとしたところすでに閉店・・・
 
そしてこのジャックスの記事を拝見し、これは行かなければと思ってうかがい、食べた瞬間、唸りました。
 
そして今日また、たまたま記事を拝見しつい今しがたJack’sへ赴きN.Y.カットを堪能してきたところです。半年ぶりくらいでしたが、相変わらず、素晴らしいステーキでした。
またご主人もお元気そうで、そんな姿が見れて良かったと思いました。
 
話は戻りますが、それ以来某若さんのサイトを拝見しているとついつい時間がたつのを忘れて読み入ってしまいます。
 
決して遠い場所ではないので東屋にも伺ってみたいとは思ったりしますが、なかなか度胸がなくて・・・
 
根性無しですが、サイトにはこれからもお邪魔させていただこうと思っています。
今後ともよろしくお願いします。

某若 09-07-03 (金) 23:13

ジャックは元気でしたか(^_^)
 
 
年齢を考えると凄いバイタリティだと思いますが、
同時に、現役で走り続ける事が、元気を生むんだな・・・と
会う度に感じさせられます。
 
 
このページも増殖を続けて、とうとう10年分のデータが
溜まりました。
 
自分で読んでも、呆れるほどのサイズですが、
それでも、その時の感覚がそこにありますから、
捨てる事もできなくて・・・(^_^;
 
前ほどのペースで更新はできませんが、
何かを感じた時は更新しますので、
今後ともよろしくですm(__)m

Bill 09-07-21 (火) 20:38

時間差となってしまいました。
 
Jackさん、相変わらずお元気そうでした。
おっしゃる通り、あの年齢にしてあのタフネス、尋常ではないと思います。私がJackさん位の年齢になってもあのように現役でいたいと思わされます。
 
ただ、今回だけなのかもしれませんが、ちょっとお味がしょっぱかったかなと・・・
 
これまでそう思ったことはなかったのですが、なぜかそう感じました。
体調が悪かったのだと言い聞かせて、これからの夏の暑さに向けて気合い入れに近々再訪しようと思っています。
 
実は先日ハングリータイガーにもつい浮気してしまったのですが、感動を感じなかったので・・・
 
Viva Jack’s!!  
 
私如きがこうお話しするのもかなり恐縮ですが、某若さんの写真、大好きです。
ほんとに、脈々と流れている時間の僅か一瞬を切り取った感じが、特に好きです。
ちなみにPCの壁紙もウェブから頂いてます (^_^;

某若 09-07-21 (火) 21:12

ハングリータイガーも良いですよね(^_^)

ただ、O157から狂牛病問題でほぼ廃業に追い込まれて以来、
以前のようにレアで焼いてくれなくなって、ちょっとガッカリ・・
な気分にさせられます。

味は、「前にこう感じたけど」と話をしてみては如何でしょう。
話好きのジャックなら、色々と話をしてくれますし、
仲が良くなると、見てくれが悪くても美味しい肉を出してくれたりしますよ(^_^)

写真は、その時の自分を写すもの。
だから敢えて手持ちで、スローシャッターで撮るようにしています。

ブレちゃっても、その時の自分。
被写体が動いて流れても、その時の風景。

そんな感じで楽しんでいます。

これからも、よろしくですm(__)m

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