- 2009-06-12 (金) 11:14
- 日記的雑感
もっともピーティーだと言われるアドベッグ。
そのスモーキーなフレーバーの奥に隠れるのは、
想像以上の甘さと複雑な香り。
アイラに慣れてない人にとっては、
常について回るあの正露丸のような匂いに翻弄されるのだろうが、
じっくりと時間をかけてストレートで飲めば、
豊で複雑な香りと奥行きのある甘さにやがては気付くはず。
でも、
「そんな事言っても、飲めねぇものは飲めねぇんだよ!」
と思う人は少なからずいるワケで、
かく言う私も、モルトを楽しみだした当初は、
アイラなんて人間の飲む物じゃねぇ・・・と本気で思っていたワケで、
だから自分でも「何故、アドベッグが好きなんだろう?」と未だに思う部分はある。
そんな私自身が思うアイラの美味さとは、
「後味の気持ちよさ」だ。
ぐぇ・・・なんじゃこりゃ?
あれ?
結構甘い??
って言うか、かなり甘い???
あ・・・
ヨード臭さの奥に、なんか苦いオレンジやビターチョコ、
うん? 花っぽい匂いもあるよ??
フィニッシュは・・・
ずっとあの匂いがつきまとってるけど、
甘さと、海辺の少し涼しい感じの風が吹くような気持ちよさが・・
あっと、もうちょっと飲もうかなぁ・・・
と、無意識に杯を重ねてしまうような、説明のつかない魅力がそこにあったのがアイラモルトで
その中でもアドベッグが一番自分の好みに当てはまっている・・という事なのだろう。
で、今日の出会いは、
限定品として現在市場に流れている「ブラスダ」だった。
このブラスダというモルトは、アドベッグ史上もっともピートが弱い酒・・・
とされていて、
その上冷却濾過と加水で40%の強さに調整されている。
つまり、アドベッグのピートの向こうに潜む美味さだけを
イージーに味わえるように実験してみた・・という事なのだろう。
例によって、最初の一口を飲んでから、
じっくりと時間をかけてみる。
が・・・・
正直言って、コイツはヤバイ(^_^;
思いっきりライトなアイラでありながら、
しっかりとアイラの個性は感じるし、
あの独特の甘さは見事に前面に飛び出しているのだ。
最初っから、美味い。
しかも、薄っぺらくないから楽しい。
しかし、15分、30分と時間をかけてみたが、
味わいと香りの奥行き、幅は広がるものの、
大きな変化はそんなに見えてこない。
つまり、最近のモルトに当てはまる、
最初っから最後まで顔つきを変えないモルト・・・
に近い感じがある。
それでも、この甘さは素晴らしい。
巷ではバニラとかチョコレートとか言われているけど、
私が感じたのはスーパーノバにも通じるモレンジの影。
やはり資本関係の影響なのか?とも思うけど、
ファーストコンタクトはこんな物かもしれない・・と思う事にして、
並行してAlmostThereを飲んでみる。
お~
なるほど・・・
ブラスダは上手い事、
アドベッグの甘さだけを抽出してる感じがする。
このモルト、
あまり売れて欲しくない(^_^;
何故なら、これってアイラがちょっと苦手・・・な人だったら、
結構イケルじゃん?とばかりにバカスカ飲んでしまいそう、だからだ。
で、こいつが結構な数で売れてしまうと、本来のアドベッグの生産を押さえ、
コッチ系のアドベッグばかりになり・・・・という事で、
もっともアイラらしい・・と言われるモルトが消えてしまうような不安を覚えるワケで。
ま、とにかく、
今日は口開けなので、
少し瓶内熟成を進めてから、もう1度、ちゃんとテイスティングしてみよう。
しかし・・・
アドベッグ、お前もか・・とならないで欲しいなぁ・・・(/–)/
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