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経年変化

 「最近さ、ときめく・・なんて感情が殆ど無くなっちゃってさ」

 

 「信じられない」

 

 「一通り、のたうち回った結果、

  あまり驚く事が無くなっちゃったのかな」

 

 

 午後の一時を、ゆっくり食事をしながら、

 他愛のない話をしていた。

 

 

 「お酒も飲まないの?」

 

 「全然・・飲まないわけじゃないけど、

  以前から比べたら、信じられないほど飲んでないなぁ・・」

 

 「忙しいのね」

 

 「うん。

  でも、自分でも不思議な位、酒はどうでもいい感じ。」

 

 「女も?」

 

 「あはは

  確かにそう・・だな」

 

 

 スキあらば、手を出そうとするような時代はとっくに終わり、

 心通じる人との時間を大切にするような時代を経て、

 今は、もっともっと、フラットに誰かと付き合うようになっている。

 

 決して冷たくなったワケではなくて、

 家族同様に思っている人に対しては変わらない気持ちを持ち続けていても、

 少しでも距離を縮めていたいと思うほどの飢えがあるわけではない。

 

 

 「この前さ、会社の女の子と酒飲みに行こうか?って話になってさ」

 

 「あら、相変わらずじゃん?」

 

 「あぁ、そうじゃなくて、

  たまたまそんな話になった時にさ、

  先輩格の女性にも声かけて『是非一緒に』ときたからさ、

  俺はもう、カップルで酒を飲むような対象にも見てもらえないのかな・・と

  ちょっと悟ったりしたのさ」

 

 「あははは、それって逆。」

 

 「え?」

 

 「その娘は、貴方が男だから、2人っきりを避けたのよ。

  ちゃんと男を感じてるのよ」

 

 「そうなのかなぁ・・・」

 

 

 今の状態に、何ら不満があるワケではなく・・と言うか、

 凄く幸せを感じていて、貪欲に色々な人達と語り合いたい欲望も薄れて、

 どこか達観していた気分でここのところ、暮らしてきていたのだが、

 そうやって言われてみると、どうやらまだ、普通の男の一部として見られる

 状態は残っているらしい(^_^;)

 

 気持ちが通じ合う事が大切で、幸せで、

 それ凌駕するような関係は無いのだ・・という事に気付いてしまうと、

 心と心の付き合いこそが楽しくて気持ち良いのだと、理解できるようになる。

 

 そういう関係を望んでいると、若い頃には当たり前にあった駆け引きのような

 少し自己満足的で自己中心的なやり取りに、魅力を感じなくなった。

 

 

 「で・・・女関係は?」

 

 「うん?

  特に無いよ」

 

 「うっそ〜

  若い娘と飲みに行こうなんて話、してるくせに?」

 

 「あ〜、違うって。

  単純に、美味い酒飲んで、

  違う世代の話を聞いてみたいだけさ」

 

 「彼女、欲しいんじゃないの?」

 

 「家族のように大切に思う人がいるから、いらない」

 

 「あら・・・

  マジ、枯れた?」

 

 

 おいおい・・

 俺って、どういう人間に見えてるの?(^_^;)

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