- 2014-08-09 (土) 23:00
- 日記的雑感
マスコミの報道が地に落ちた事は周知となったが、
情報を鵜呑みして疑わない今の人達にも
問題はあるのだと思っている。
そんな人間を作り上げたのは、
たぶん、戦後の教育の為せるワザ。
記憶力が良い人間が良い点を取るような教育は
物事を考える力を伸ばすとは思えないし、
与えられた情報が正しいかどうかを考える訓練をさせないから
間違った情報も正しいと思い込む人間ができあがる。
そして権利を主張する事は刷り込んでも
義務の上に成り立つ事や物事の多面性は積極的に教えない。
その上今は、プッシュされる情報のシャワーに
疑い深い人さえ感情のコントロールをされてしまうのだから
今の世論の流れは、とても稚拙で恐いと感じている。
資本主義は
儲かった者が勝つ社会だろうか?
儲けるためには何をしても良いのだろうか?
食べたら害がある物でも
コストが安いから使うのか?
なんて事が、ウェブ発信から明らかになっていく今。
テレビや新聞が流す報道は、
裏取りの甘さが素人でわかるレベルに落ちて、
既に死に体になっている。
そして、個人的見解に彩られた情報には悪意が忍び、
発達したウェブ情報網がそれを増幅して、
時には実力行使に繋がる「情報の暴力」と化す。
8月は、日本が2回の原爆を受けた月だ。
無条件の殺戮が行われ、
69年経った今でも苦しんでいる人がいる。
その当時、これほどまでにも忌まわしい兵器である事が
わからなかったから使ったと言う説もあるが、
それこそどこかの新聞社と同じ詭弁に、聞こえてしまう。
放射能の怖さがわからなくとも、
その強大な破壊力が非戦闘員を巻き込む殺戮になる事を、
十二分にわかって使った事は誰にでもわかる事なのだ。
社会派と言われるオリバー・ストーン監督は
大学を中退し21歳に志願兵としてベトナム戦争に参加し、
15ヶ月間最前線で戦った。
その時の体験を元に「プラトーン」を制作しアカデミー賞を取り、
トムクルーズが主演した「7月4日に生まれて」で
ベトナム帰還兵の苦悩を表現して再度アカデミー賞に輝いた。
その「7月4日に生まれて」の中で誤射により一般市民の母子を殺害
するシーンがあって、「とんでもない事をしてしまった」と
兵士達が慌てるシーンが描かれている。
実際に戦場に行った彼が体験から描いた物である事を考えれば、
同じ米軍が広島で16万6千人、長崎で14万9千人を一瞬で殺戮した事が
どれほど罪深い行為であるかは、わかっていたはずだ。
でもそれを実行できたのは、当時の米軍の感覚として
日本人は人間扱いされていなかったのだろうと、邪推してしまう。
不特定多数の人達に向けて発信する情報には
踏み越えてはいけない表現がある。
裏付けも必要だ。
だからマスコミは、
本来一人で情報を作り上げる事はせず
幾つかのチェックを受けてから、発信する。
(・・・はずなんだが)
だが、個人が発する情報は
得てして主観的で裏付けも弱く
感情的で扇情的、そしてそれ故魅力に溢れているものだ。
例えば今の集団的自衛権について、
多くの人が主観的な感情論で語っている現実を見ると
その危険性を強く感じてしまうのだが・・・
国という物を考えたら
必要なものは用意しなくてはならない。
ただ、先手必勝とわかっていても、
日本は先手は取らないと誓った国でもある。
多くの犠牲と、
将来の国のために命を投げ出した人達がいて、
今の平和がある事を感謝して、
今の日本を守る事が生き残りの義務だと、思う。
そういう意味で今、溢れかえる情報を見ていると、
大切な事を忘れていませんか?・・・と問いかけたくなるんだけど、
その言葉が通じる自信が持てそうにない。
それが最近一番の恐怖だと感じている。
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