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2015-09-20

平成ええじゃないか

7344Dcm
 
 
シルバーウィークに入った横浜でも、
デモが行われていた。 
例の妙な節回しでスローガンを歌うヤツだ。
 
「選挙に行こう!
 安保法案撤回だ!
 賛成議員は選挙で落とそう!
 集団的自衛権要らない!」
 
打楽器とマイクで音頭取りが節を回し、
続く人達がオウム返しに歌いながら練り歩く。
 
 
あ!
 
あ〜〜??
 
これって「ええじゃないか」だね??
 
  
それは、慶応3年に三河で始まったとされる
「ええじゃないか」とはやしながら踊った集団乱舞。
 
当時の世相に不満を感じていた民衆が、
世直し要求を伊勢神宮のお札が舞ったと称して
宗教的熱狂の形でムーブメントとなったと言われている。
 
この頃の日本は、
尊王攘夷の風が吹き、農民一揆や貧民による打ち壊しが起きていた時代。
 
貧富の差が大きくなり、支配階級の腐敗に不満が大きくなっていた時代だ。
倒幕派はこの動きを利用し大政奉還に漕ぎ着けたという説もあるが、
当時の政権を倒すシカケの一つであったと考えるのが自然のように思われる。
 
その「ええじゃないか」の歌詞は色々ある。
  
「今年は世直り、ええじゃないか。」
「日本国の世直りはええじゃないか。豊年踊りはおめでたい。」
「御かげでええじゃないか、何でもええじゃないか、
 おまこに紙貼れへげたらまた貼れ、ええじゃないか」
 
と節つけて歌い踊る民衆は、
そのリズムに乗って、不満を解消する踊りを楽しんだのだと思う。
 
 
で、
今流行のラップ型デモ。
 
「嘘も3年つきと通せば本物になる」と花柳界のお姉さんが言ってたけど、
言われる意味を理解せずとも聞かされていれば、やがてそれが正しいと思い込む
民衆の意識を美味く煽るやり方に見えてしまうのだ。
 
 
「9条守れ!」
 
と叫ぶのを聞けば、
「日米安全保障条約を死守し集団的自衛権によって国を守る」
という意味に聞こえる。
 
「集団的自衛権は要らない!」
 
と叫ぶのを聞けば、
「個別的自衛権の行使のみで国を守るために、
 軍拡し必要に応じて兵役の義務を設置する」
と聞こえてしまう。
 
でも、深く考えずに煽られた不安感と一緒に歌う高揚感に支えられ、
群衆意識が馬鹿を呼び集めて集団を大きくすれば、
それが民意だと勘違いする人もまた増えてくるのだろう。
 
 
情報は、ちゃんと自分で選んで多方向から集めないと、
客観視する事は難しい。
 
集めたらちゃんと分析し、過去の動きも検証しながら、
自分なりの判断をしないと、方向性を見失う。
  
スマホに落ちてくる誘導される情報だけを頼りに生きている人は、
容易に誘導されて、感情に振りまわされているだけの事だ。
  
 
ええじゃないか・・と皆で叫べば、
何でも通ると思うのは、あまりに子どもっぽい。
 
議会制民主主義の日本において、選挙の結果により政権与党となった政党に、
少数意見を無視するのか?と主張する事は、日本の民主主義を否定する行為だと
ちゃんと理解するべきだ。
 
だから、うるさいデモの中でも
「選挙に行こう」や「賛成議員を選挙で落とそう」は
まったくもって正論だと思うし、実際そうすれば?って思える事だ。
 
投票率が低いから今の与党の指示が低いと言い切る政党もあるけど、
それは単なる論理のすり替えでしかない。
 
投票しないのも個人の自由だし、少ない投票数の中でも与党となれるだけの票を
集める事ができなかった事実は変わらないからだ。
 
今回の騒ぎは、与党の乱暴な振る舞いにも問題があるし、
時間をかけて議論しようとする動きに対して、
対案を出しより良い方向性を探れなかった野党にも問題がある。
 
だが、
若者達が選挙の意味を考えるキッカケとなり、
大人達が政治によって国が方向性を変えてしまう事を考えるキッカケになるなら、
言い掛かりでしかない強行採決が行われた意味は、大いにあったとも言える。
 
だから今、
ちゃんと考えて欲しい。
 
「平成ええじゃないか」のムーブメントに隠れる様々な問題にこそ
目を向け見極める必要があると、多くの人が気づいて欲しいと、心から思う。
  
そして、議論を尽くす場である国会において、
ルール無視の振る舞いや暴力に訴える行動は、
確実に次の選挙で排除するように動く事が大事だと、
思っている。

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