Home > アーカイブ > 2015-06-28

2015-06-28

なんか恐いぞ

最近の報道は、恐い。
 
ここ数年感じてきた事だけど、
特に今年になって、より強くそれを感じている。
 
例えば25日、
自民党若手が自民党本部で勉強会「文化芸術懇話会」開催し、
講師に過激な発言で知られる百田尚樹氏を講師で招いていた。
 
政権与党の開催する勉強会だからか報道も集まったが、
私的な会合でもあるので最初の2分程度を公開しただけで、
後は所謂オフレコ状態で色々と話があった事が、情報として流れている。
 
ところが26日の報道では、
 
「マスコミを懲らしめるには広告収入をなくせば良い。
文化人が経団連に働きかけて欲しい。」
 
と出席議員が発言したとか、
講師の百田氏が
 
「沖縄の2つの新聞はつぶさないといけない。
あってはいけない事だが、沖縄のどこかの島が
中国に取られれば目を覚ますはずだ」
 
と主張したとして扱われた。
 
この報道を見て、気持ち悪い物を感じたのだ。
 
7701D
 
確かにこの時期、
性急に安全保障関連法案の成立を急ぐ与党には、
不安を感じさせる強引さが見えている。
 
だから、報道各社は
この勉強会が自民党本部で開催された事に触れ、
問題点を抽出して表現をしたかったのだと、思う。
 
ただ問題がある。
 
報道した通信社等は、
冒頭の2分しか取材が許可されていない状況については、触れていないのだ。
 
よく考えて欲しい。
 
2分間で、その会合の何がわかりますか?
 
この冒頭2分、というのはニュースソースを得るための時間で、
こんな人達が集まってます、というような写真(動画)を撮影し、
主催者やゲストの挨拶が続く中で、
「それではここら辺で(退席してください)」と言われて
報道陣は退席する、というのが通例なのだ。
 
結果、勉強会の内容を把握する事は、不可能に近い。
 
当然、勉強会の趣旨や内容については、
予め用意されているリリースや
会が終了した後に運良く記者会見等が開催されれば
そこからニュースを組み立てるのが流れとなる。

なのに、あたかも勉強会に参加したような書き方になっていて、
それがまず、気持ち悪いと感じさせたのだろう。
 
そして、勉強会の内容について、
通信社や報道各社から流れるニュースソースを鵜呑みにして、
そのままコピペしたようなニュースが報道各社から出た事から
大騒ぎになっていった、と。
 
その事に対して、事実は違うよ?・・と、
講師として出席し問題発言したと言われる百田氏は、
自身のツイッターを誰でも見られるように設定し、発言を公開した。
 
以下、引用
 
ーーーーーー 
今日、自民党の本部で、自民党の若手の有志らによる「文化芸術懇話会」で講演した。
講演の最初の2分くらい報道陣がいたので、その2分で、マスコミはどうあるべきかを話した(^_^;)
ーーーーーー
ギャグで言った言葉を切り取られた(>_<)
しかも部屋の外から盗み聞き!
卑劣! 
ーーーーーー
それにしても、報道陣は冒頭の2分だけで退室したのに、
ドアのガラスに耳をつけて聞き耳してるのは笑った。
しかし、正規の取材じゃなくて盗み聞きを記事にするのは、ルール違反だし、卑劣だろう!
ーーーーーー
質疑応答で誰かが「沖縄の二紙は厄介ですね」と言ったから、
私が「ほんま厄介、つぶれたらいいのに」と軽口を言ったのだが、
そこで会場は大笑いで、その話題は終わり。
そのあと別の話題に移り、沖縄の二紙の話はその後一切出ず。
ただ、一言の軽口を記事にされた。
ーーーーーー
質疑応答で、一部の議員から
「偏向報道するマスコミを、スポンサーに圧力をかけてこらしめるのはどうか?」
と質問されたが、
私は即座に「それはやってはいけません」と答えている。
ドアのガラスに耳をつけていた記者は、その発言も聞いてるはずだが、
それは記事にしない。
ーーーーーー 
私はテレビやラジオで、不特定多数の人に向けて発言したものではない。
また広く知らしめるために発言したものでもない。
あくまで私的な集まりの場で、しかもクローズな場において、軽口で言ったものだ。
それをドアのガラスに耳をつけて盗み聞きして、書くのはどうなのか。
ーーーーーー
私も言論人である。弾圧やその他の力で言論を封じるのは断固反対である。
それはファシズムか共産国である。
たとえば私は朝日新聞に潰れてほしいと思っているが、そのココロは、
多くの人が朝日はひどい新聞と気付いて読まなくなる時代がくればいいと願っている
という意味だ。
弾圧で潰すものではない。
ーーーーーー
もし今回の発言で、私が謝罪させられたり、社会的に葬られたりしたら、
今後、内輪の席であっても、誰も「○○新聞はつぶれろ」と言えなくなるなあ。
密告や盗み聞きで、その発言が新聞社に知られると、大変なことになる。
新聞社の悪口を言えば、社会的に抹殺される時代がくるかも(^_^;)
ーーーーーー
 
引用、終わり
 
言論人なら、言葉の使い方を考えようよ・・という私見もあるけど、
そもそもマスコミに載せるべく情報開示された公的な会議では無い事や、
盗聴により報道された百田氏の発言の中に
「沖縄のどこかの島が中国に取られれば目を覚ますはずだ」の部分については
彼のツイッターを読む限りでは存在しないようにも思えるので、
違和感を拭えないし、捏造された?という疑問すら湧いてしまう。
 
でも、私がその会合に出ているわけではないので、
報道が正しいのか百田氏の言い方が正しいのかは、判断できない。
 
ただ、
「表現の自由」がある国においては、偏向した表現をしても許されるはずで、
偏向報道も偏向意見も、どっちも認めないといけないと思うのだ。
 
そういう意味で、
私的会合で偏向した意見を述べた事を報道各社が攻撃するのは、
本当に気持ち悪いのだ。
 
報道機関は色を持っても良いと思っているけど、
違う色を認めないのは自分の色を否定する事にも繋がると、
何故わからないのだろうか・・・と。
 
 
報道の現場に近い仕事をしているから感じる事だけど、
通信社が流す速報ニュースや、
官庁や各社から流れる「投げ込み」と言われるリリース(報道資料)を、
裏も取らずにそのまま扱う気配が、報道の中に蔓延しているのは事実だ。
 
その結果、今の報道各社の情報信頼性はもの凄く低く感じてしまうし、
各社の報道だけではなくあらゆる方面から情報を集めないと、
問題のアウトラインが見えない状況になっている、とも感じている。
 
だからだと思うが、
どうしても気になる事は裏を取りたくなるし、
可能なら現場に行って、この目で確認したくなってしまう。
 
そして、その現場で感じた空気を映像として切り取れたら、
そこに写る物を見ながら、物を考えたいって思ってしまうんだろうね。
  
 
裏が取れてない情報が流れまくる今の社会は、
「なんだか恐い」って思うんだけど、
それって私だけが感じている事なのでしょうか、ね?

Home > アーカイブ > 2015-06-28

検索
フィード
メタ情報

Return to page top