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2011-02-27

Easy come,easy go.

 
   バーは魂の病院だ・・・と、
   バーテンダーというドラマの中に台詞があった。
 
   見ていて、それはどうだろう・・・
   と思わず突っ込みたくなる。
 
   言いたい事はわかるんだけど、
   アルコールを毒と薬という表現もして違和感を感じたし、
   バーテンダーの所作や身だしなみの緩さや髪型など
   色々と「おいおい?」な所があって、
   何て言うか、ちょっと粗野な感じを受けたからだ。
   (今時のTVドラマに突っ込む方も問題だけどね)
  
 
   自分はバーを
   荷物の下ろし場所・・と感じている。
   と同時に、別のステージである、とも。
 
   バーは、酒を飲む場所だけど、
   酒に飲まれてはいけない場所。
 
   競争も背伸びも戯れ事ではあるけど、
   それを楽しむレベルで止めないと、品が悪い。 
  
   楽しく賑やかに飲みたいのなら、
   居酒屋か大衆酒場で飲み倒せば良いし、
   ただ酒を飲みたいだけなら、
   自宅でお気に入りを飲む方が良いのだ。
 
   そう・・・
   バーとは、その店の持つ空気を味わい、
   その日その時の風を感じながら、
   新たに上げた帆に受けた勢いで、
   家に帰る力をもらう場所なのだと思う。
 

   酒は確かに薬の顔を持っているけど、
   ビジネスタイムに背負った荷物を下ろし、
   別のステージに切り替えるガソリンのような物。
  
   そもそも薬だったら美味しそうじゃない(爆)
  
 
 
   そう言えば最近、
   新しい店を開拓しなくなってきた。
 
   それは、懇意にしている店がそこそこあって、
   そこの居心地の良さが他の店に存在しないとわかっていて、
   新しく訪れる店と、新しい関係を構築していく気力も時間も
   今の私には無いからだろう・・と思っている。
  
   実際、巷の飲食店のレベルはかなり落ちてしまって、
   見た目だけ良くても中身が無いパターンばかりが幅を効かせているから、
   無理に新規開発してダメさ加減を確認するだけと、わかってもいるワケだ。
 
 
   でも
   それでも・・・
 
   興味を引く店はあって、
   何かのキッカケでひょっと飛び込んでしまったりするから・・・
 
 

 
 

  先週、富士山写真のスペシャリストの写真展に行った帰り、
  高名な四川料理家の名前をつけた店に飛び込んだ。
 
  週末だったから、どこの店も人が多く、
  その店の客層が一番マトモに見えた・・という、単純な理由からだ。
 
 
   え?
   これだけ??
 
  入ってメニューを見て驚いた。
 
  麻婆豆腐、海老チリ、麻婆茄子、酸辣搾肉麺、担々麺、
  のセット物だけしかない。
 
  後はツマミになりそうな物はあっても、
  単品で料理を取って、ご飯か炒飯を合わせる・・といった事が
  最初からできない状態なのだ。
 
  じゃぁしょがない・・・
  と麻婆豆腐セットをオーダーする。
 
 
   「オマタセシマシタ。
    スープトライスはオカワリデキマス。」
  
   「え・・と、山椒はありますか?」
 
   「テーブルニ辛イノト香リノトガアリマス」
 
 
  麻婆豆腐とスープ、
  ほんの少しのザーサイとライスが、トレーに載って出てきた。
   
  さすがは麻婆豆腐店と言うだけあって、
  花椒もデフォルトでテーブルにあるんだね。
  
 
 
   あ・・・れ・・・??
 
 
   何じゃこりゃ??
 
 
 
   味が無い?
   というか旨味が無いよ??
 
 
  花椒をかけたら、辛さと痺れで少しは誤魔化せる感じだけど、
  何だか、ここまで不味い麻婆豆腐って、久々かもしれない。
 
  食べていて、不快になってきた。(^_^;
 
  
  店内を見れば、子供は走り回って、
  食事が終わっても動かずにただただ喋ってる若者集団がいて、
  週末のファミレスの風景によく似ている。
  
 
  まぁ、そんなものだよねぇ・・・と思いつつ、
  久々に二度と行かない店リスト入りか・・・と思いつつ、
  自分の名前をつけた店がココまで不味くても平気なんだな、とも思いつつ、
  やっぱり自分に合う飲食店は飛び込みでは見つからない事を、
  あらためて確認したようだ。
 
   

 
 
   バーは、それぞれの店に独特の流儀があって、
   常連と一見は思いっきり差別される場所だからこそ、面白い。
 
   カウンター商売で単価が高い店は、
   客の何を求めているかを読む事が仕事だし、
   客もまた、自分が何をどのレベルで求めているかを
   表現しなくては楽しい関係を作りにくい。
 
 
   懇意にしている店をどれだけ持てるか・・・が 
   アフターファイブの大人の実力でもあるワケで、
   誰かの行きつけの店へ連れられていくと、
   その人の姿が店を通して見えてしまうもの。
 
   だからある意味、バーの様な大人しか入れない店の場合は、
   勝負・・・という感覚も持つべきだし、それを楽しむ事こそが
   大人の遊びなんだと思うのだ。
 
 
   では、不味い料理店に入ってしまったら
   どうすれば良いのだろう?
 
 
   え?
   諦めるか、行かないか・・だって??
 
 
   そうだよねぇ

   不味い料理を出せる店は、
   不味くても客が入れば良いと思ってる・・・
   って事だしねぇ(^_^;
 
 
   という事で、最近はEasyに馴染みの店にしか
   行かなくなっちゃったのかも、知れないね。

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