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2007-06-24

グレンリベット・アーカイブ・21年

「オーダーの物、届いています」
 
「あぁ、よかった。
 じゃ・・それを」
 
 
いつもの会話がなされて、登場したボトルは想像していたのと違う顔をしていた。
 
あれ?
こんな色のエチケットだったっけ??
 
バーテンダーがシールを切り、
最初の一杯をテイスティンググラスに注いでくれる。
 
あぁ・・・そうだ、
オーダーしたのは「ナデューラ」だった。
 
 
「以前オーダーしたのは、カスクストレングスのナデューラだったよね?」
 
「え?」
 
「これはこれで頂くけど、
 他にオーダーしていた人はいない?
 確認してください」
 
 
バーテンダーはあわてて確認に走ったが、
結果は私のオーダーという事が確認できた。
 
 
「どういたしましょう。
 ナデューラを新たに取りましょうか?」
 
「いや、コレは想像以上に良いモルトだよ。」
 
「よろしいのですか?」
 
「勿論。
 こういう出会いもまた、楽しい物だよ。」
 
 
グレンリベット アーカイブ 21年
インターナショナルワイン&スピリッツコンペティションでトロフィー受賞、
といった栄誉を持つこのモルトには少なからず興味があった。
 
原在流通しているアーカイブ21年は黒いラベルが主流だが、
私が手に入れたのはアイボリーに赤い縁取りがされ、シリアルナンバーが付いた最新版。
 
つまりIWSC2006ゴールドメダルクラス最高賞に輝いた後出荷された物で、
まさに今、注目されている一本と言っていい。
 
口開けから漂う香りは甘く、
最初の一口で感じるのはカラメル・トースト・ちょっと焦げた砂糖の甘さ・・・
 
そして少し甘さが立っている飲み口の中からのぞくのは、
バーボン樽らしいバニラ香とそれより遙かに少ないが確実に姿を見せるシェリー樽の香り。
 
もちろんいつも通りに放置を始めたのだが、
大きな変化はあまり見せてはくれない。
 
だが、まったく味わいが変わらないか・・?
と言われれば「 NO」だ。
 
草のような青い香りとオレンジの中に混じっている爽やかな芳香、
そして味わいも柔らかく豊かに広がっていく。
 
 
「これさ・・・
 結構当たりだよ」
 
「このボトルは飲んだ事がありません」
 
「じゃ、試してみて」
 
 
いつもの試飲会が始まってしまう(^_^;)
 
 
「優しい味わいですね。」
 
「このシロップのような味わいは、
 昔のリベット思うと別物だね。
 あの、花のような香りを含んだ豊かな味わいとは、違う顔だ。」
 
「最近の物としては、かなり良いですね」
 
 
30分で、綺麗に個性を見せて開いたリベットは、
今手に入る酒の中ではかなりの良品と言っていい。
 
この前皆に振る舞ったロッホナガーと言いリベットと言い、
まだまだ捨てた物じゃない・・とほっとする。
 
 
「良い間違いをしてくれてありがとう。
 凄く良いモルトに出会えたよ。」
 
「そんなに虐めないでください。」
 
 
いや、本当に、感謝してるんだってば(^_^;)

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