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2005-11-04

グレン・アルビン

「最近、美味いもの飲んでます?」
 
「忙しくてねぇ・・・。
 ハードなヤツより優しい方向へ行っちゃうし・・」
 
「じゃ、今日は久々で?」
 
「そんな事・・あるなぁ(^_^;)」
 
「どうしましょう?」
 
「優しいやつで・・・」
 
「じゃ、こんなヤツを」
 
 
グレン・アルビン26年 1978 47.5% 
(ハートブラザース社)
 
 
「珍しいね、アルビン」
 
「結構、良いんですよ、これ」
 
「優しい?」
 
「たっぷり」
 
 
柄の短いテイスティンググラスに注がれたアルビンは、
70年代らしい香りを伴って早く飲め・・と呟く。
 
その甘い匂いは、凄く昔に飲んだ記憶とは、
はっきり言って合致しないほど豊だった。
 
 
一口、飲む。
 
ベタッとしそうな甘さと、スパイシーなクセ、
そしてオイリーというよりも柔らかい口当たり。
 
 
「いきなり、これ、来るねぇ」
 
「いいでしょ?」
 
「まだ、気持ち強いけど、口開けて少し経ってる?」
 
「そうですね。
 ちょうどこなれる位ですね」
 
 
バーテンダーが言うように、ボトル半分位のモルトは、
それなりの時間を持って飲まれてきたのだろう。
 
それでもトップノートはまだ強く、少しばかり時間を置け・・と主張する。
 
で、例によって30分程度、時間を見ながら飲んでみた。
すると・・・・
 
 
きつかったスパイシーなクセは姿を消し、口当たりはオイリーから
ビロードのような感触として変化し、
味わいはどんどん優しく広がって、しかもその奥が見えなかったりする。
 
 
「差別するわけじゃないけど、70年代の酒って独特な味わいがあって、
 やっぱり別格と言わざるを得ないねぇ」
 
「やっぱり何かが違うんでしょうねぇ」
 
 
30年近い年月を耐えられるレアなモルトが特別じゃなくてどうする?
と言う向きはあるだろうが、今のモルトは正直言って薄っぺらい。
 
最初から美味しくて、見事にバランスされていたりするけど、
変化する幅はせまくて飲む人達の余裕の無さを反映しているように感じる。
 
まぁ・・・・
私自身が余裕ないので、そういう酒を気軽に飲むのも悪くないと思い出してるし、
東京で飲む時はブレンデットをロックでガンガン飲んでたりするし・・・・(^_^;)
 
でも、アルビン、美味かったなぁ(/–)/

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