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2005-03-06

ロングモーン・グレンリベット

20年前のジョニ黒を空けてしまったので、自宅のストックから一本、
ハードなカスクを持ってロブに行った。
 
 
「え?ロングモーン??
 珍しいですねぇ・・・
 ケイデンヘッズはあまり仕入れてないので・・・」
 
「いや、今捜しても無いって。
 これ10年前に仕込んだヤツだよ」
 
「やっぱり」
 
「さぁ、一緒に飲んでみよ」
 
「比べます?」
 
「え?
 ロングモーンあるの?」
 
「もちろん」
 
 
マスターが出したのは、ゴードンマクファイルのロングモーン・グレンリベット12年。
 
 
「奇しくも、ボトラーズの巨頭が揃った感じだね」
 
「カスクには分が悪いですけどね」
 
 
 
ロングモーン・グレンリベット11年(1984)60.7%
 
 
11年物と侮ってか、10年前は随分安かった事を記憶しているが、
そのカスクの強さを感じさせない味わいが好きで、ストックしていた
最後の一本を持ち込んだわけだが、比べる12年物が待ってるとは思わなかった。
 
 
80年代のロングモーンは20年ぶりに新しい空気を吸って、
深い睡眠から徐々に目覚めていく。
 
最初は60%オーバーとは思えないほど、水のように穏やかで、
そしてシェリー樽を使った効果が時間と共にどんどん花開いていく・・・・
 
口に含むと、ねっとりとした濃さを口腔内に貼り付けながら、
甘さと少しの酸味と豊かすぎる香りが深くアピールしてくる。
 
 
「これ、美味いっすね~」
 
「前、飲んでた時とまた違った味わいがあるよ」
 
「少し置いてから、また飲むと違うでしょうね」
 
「60%もあるから、グイグイとはいけないしね」
 
 
80年代でも良い酒はある・・・と感じる。
少なくとも、このロングモーンを飲んで見ると、そう感じる。
 
なのに、所謂プレミアム・オールドと言われる18年~25年物が
恐ろしく不出来なのは、何故だろう。
 
それは多分、多売に向けてシフトしている酒造メーカーの試行錯誤が
正直に酒に現れてしまっている事なのだろう。
 
そして、短期間(と言っても6年以上はかかるか・・・)にたくさんの酒を
万人受けするクオリティーで提供できるようになってきたのだろう。
 
忘れてはいけない昔の味、
でもその記憶は、結局「無い物ねだり」にしかならない。
 
だからと言って知らない方が幸せ・・・と自分を言いくるめられないあたりが、
モルト馬鹿の馬鹿なところなんだろう・・・ね(/–)/

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