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ピンチ 邸園文化圏再生構想

神奈川県には、多くの文化財とも言える邸宅が多く存在し、
関東大震災後の建築文化を知る上でも重要な建物が多い。
 
県では邸園文化圏再生構想と題して、
貴重な文化遺産を保存する運動を始めていて、
私も取材で関わった事がある。
 
 
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「旧モーガン邸」
 
 
藤沢にある「旧モーガン邸」は大正9年に来日した建築家モーガンの家で、
日本建築の特徴を西洋館に取り入れて作られ、歴史的建造物として
文化財的価値が高い物として市民活動によって保存されていた。

その「旧モーガン邸」は、
マンション用地としての買収問題もあって細かいトラブルが起きていて、
取材した時も小火騒ぎがちょっと前にあった、と聞かされた。

火災事故を起こしたホテルニュージャパンのオーナー
横井英樹が一時期所有していた事もあって、
火にまつわる因縁のような物を感じていたが、
2007年の5月、そして2008年の1月に放火され全焼となってしまった事は、
取材の時に「旧モーガン邸を守る会」の人から聞いていた懸念が
現実の事となってしまった事実をつきつけられたようでゾッとした記憶がある。
 

そして、
先週には横浜市戸塚区にある国の重要指定文化財「旧住友家俣野別邸」が全焼、
さらに今日、「旧吉田茂邸」が全焼・・・・・
 
「旧住友家俣野別邸」火災のニュースを聞いて、
戦前の日本を動かしていたクラスへの何らかの動きなのかも・・・と
邪推していたら、今度は「旧吉田茂邸」である。

 
神奈川県の都市整備公園課としては、邸園文化圏再生構想によって
貴重な文化財を保存する動きを県民と供に行う動きをしているのだが、
「旧吉田茂邸」は県立公園の中に置く貴重なランドマークでもあったため、
担当者の気持ちを考えると悲しみを超えて怒りさえ湧いてくる。
 
 
9933
「旧吉田茂邸」 
 
 
東京裁判がドラマで取り上げられ、
ヒトラー暗殺失敗事件を扱った「ワルキューレ」封切られ、
昨日と今日はドラマ「黒部の太陽」が放送・・・

最前線にいる作り手達が、今作らないと記憶が消えてしいそうな
だけど忘れてはいけない事を、様々な形で具現化しているのだが、
そんな動きの中で「旧吉田茂邸」が放火されるのは、ある意味恐ろしい。

 
今の日本があるのは、昭和を必死に生き抜き、
次世代へ繋ぐための努力を惜しまなかった日本人のおかげだ。

私利私欲に走ったり、傲慢かつ独断で動いた実力者も多くいたろうが、
それでもやっぱり、後世は豊かな時代に導かれた。

そんな先人達の有形無形の財産を、当然の如く消費するばかりの現代は、
そろそろ襟を正して次の時代へ向けて動かないとダメなように思う。
 
 
誰かを恨んだり妬んだりしても、
何かを対象に攻撃を加えても、
暴力は必ず自分に返ってくる。
 
自らの分をわきまえて、
自分らしく生き、
できる範囲で奉仕する事、
それが結局、自分の幸せに繋がる事を、
50年生きてみて感じている。
 
 
今、自分の身に起きている事は、
結局、自分のせいなのだ。

社会的立場や身体、人間関係、
それらが気に食わなかったとしても、
受け入れて消化して、プラスに考える事だけが、
自分の心を救ってやれる唯一の方法だろう。
 
 
攻撃は最大の防御、という言葉があるが、
その攻撃は
常に「諸刃の剣」で行われる事に
気付いて欲しいものだ。

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