- 2010-01-23 (土) 23:24
- 日記的雑感
「随分前にオーダー頂きながら、
入手にかなり時間がかかりまして申し訳ございません」
「いえいえ、私も忙しくて
なかなか顔を出せなくて・・・」
2008年にコミッティ向けに出されたこの一本は、
ワイン樽を使用しているという情報がある。
その名のコリーヴレッカンはアイラ島の隣のジュラ島そばで発生する渦潮の名前で、
(日本だと鳴門の渦潮が有名だけどね)その引き込まれるイメージを
ラベルに表現したり、箱にはno swimming(遊泳禁止)と印刷され、
相変わらずの洒落が効いた装いで楽しませてくれる。
で、定番品として今回はリリースされたのだが、
私にとっては手に入らなかった一本なので、早く飲んでみたかった。
しかし昨年11月の時点では入手が難しく、私も忙しく・・・で
年を開けてやっとのご対面となった。
アルコール度数は57.1%
勿論チルフィルターは使ってないカスク物だ。
アードベックのカスク物は優しい口当たりの物が多く、
この一本も定番品となるからには、かなり優しいだろう・・と思ってしまう。
で・・・
飲んでみた。
え?
これで本当に57%もあるの???
という穏やかさ。
まぁ、最初は当然の如く寝込んでいるだろうから、
しょうがない・・・(^_^;
という事で時間をかけてみるが、
最近のモルト、それも定番品らしく大きな変化は見えてこない。
それでもボトルから放たれた、何でも引きずり込んでしまう魔性の大渦潮は
徐々にその本性を現してきた。
しっかりとした、らしいピートはアードベックらしさの1つだが、
それがどうだ・・とばかりに前面に出てくるわけではなく、
迫力があるバスドラムが出しゃばらずにビートを効かしているような形で存在する。
味わいは、甘さと苦み、そして若干の果実的酸味とスパイスが
まさに渦を巻いて1つの魅力になって、酔いの海の底に引きずり込むようだ。
「このボトルはテイスティングした?」
「いえ、まだです。
ここでは初めて開けました。
まだ、他のお客様でコレをオーダーした方はいらっしゃいません」
「じゃ、ちょっと持っていって、飲んでいいよ」
いつもの口開けの風景。
レアなモルトや新製品等を開けた時は、
サーブしてくれるバーテンダーには必ず振る舞う事にしていて、
こちらとしては酒のプロがどう感じるかを1つの楽しみにしていたりする。
一通りインプレッションのやり取りがあって、
かなり時間が経過したコリーヴレッカンは、
相変わらず魔性の渦を巻いたまま。
充分にステアされたような味わいに変化して
さらなる酔いに引きずり込まれそうになった。
あ・・・
この優しさと太さ、そしてフィニッシュの奥行きは・・・
昔のアードベックに似ているかも。
ここに、麦の主張と広がりが加わったら、
1976年以前の、あのアードベックの顔に
見えるかも知れない。
これは・・・
壁のリスト入り、決定ですな(^_^;
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