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ありがとうございます

いつもスタッフに恵まれてきて、
今の自分があると思っている。

仕事に対してはどこか独善的で
特に仕上げ方については誰の言葉も要らない
というスタンスがある。
 
だからスタッフについてくれた人は
かなり面倒なヤツって思っているに違いない。
 
だけど何故か、
皆面倒見が良くて助けられる事が多かった。
 
 
自分の中には「仕事」というスイッチがあって
それを入れれば自動的に「個人感情スイッチ」がオフになる。
 
多分それは、
若造が自分より年上で経験豊富なスタッフを
自分の手足のように使う仕事に就いてしまった経験で
学んだ事なのだと思う。
 
同時に、一緒に働く人達には
仕事がやりやすいようにしたいという思いも強くて、
だから恣意的な行動や感情的な動きを抑制し、
仕事の完成度を一緒に上げていくことだけど自他共に意識する方向へ
導くのが大事だと思ってきた。
 
でも自分、
安定した仕事を淡々とこなし、
ひたすら守っていく事は苦手だ。
 
それはきっと、自分の仕事のやり方が雑で、
「終わりよければすべてよし」と信じて疑わないからって事なのだろう。
  
 

 
 
「実は、早いんですけど定年のお祝いをお渡ししたくて」
 
「え・・嬉しいな」
 
「定年の日より前に、スタッフ全員が集まれるのは今日だけだったんで、
 皆の気持ちでこんな物を、私の独断で選ばせていただきました」
 
 
今の職場のスタッフが私を呼び出して、
定年記念の酒器をプレゼントしてくれた。
 
結局、今の職場で今の立場のまま再雇用となるので、
特に何かが変わるのでもなく、自分自身も今ひとつピンと来ていない定年。
 
会社としても初のプロパー定年者を出す事から
何かこうしよう・・・という考えも無いようで、
気付けば雇用形態が変わっているだけ、なイメージで捉えていた。
 
だから、虚を突かれた感さえあったのだけど
素直に嬉しくて、ちょっと言葉に詰まる。
 
今のスタッフは全員が個性的で、
ある意味、正直過ぎる言動やマイペースな仕事っぷりが
組織の中では浮きやすいタイプに見える。
 
勿論、私のマイペースなやり方はさらに強力なので、
合わせるのは大変だろうと想像するけど、
そんな彼らが考えてくれたプチイベントは、
今まで一緒に仕事してきた全ての仕事仲間に対する
感謝の気持ちを膨らます効果が絶大だった。
 
「これからも、よろしくです」と言える歳だからまだ良いけど、
契約が満了する時にはどんな気持ちで最後の日を迎えるか、
未だ想像ができないでいる。
 
ありがとうございます。
4月からも、よろしくお願いいたします。

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