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グレン・モレンジ1971

「なんかモレンジの美味いやつないですか?」
 
「古め?」
 
「そう」
 
「ちょっと高くなっちゃうけど・・・
 1971がありますよ」
 
「え?
 飲みたい」
 
「じゃ、持ってきますね」
 
 
最近は、古いのをサラッと出す店が減って、
こうやって在庫を探りながら掘り出し物を見つけるのが楽しみになってきた。
 
 
「すいません、後、シェリーはありますか?」
 
「はい。
 何にしましょう?」
 
「何があります?」
 
「ドライ、フィノ、オロロソ、クリーム・・ですね」
 
「じゃ、オロロソを」
 
「しかし、力業ですねぇ」
 
「気持ちいいでしょ?」
 
 
その店では、既に馬鹿と認識されているので、
こういった無茶苦茶なオーダーにも軽い突っ込みをくれる。
 
 
「お待たせです。」
 
「え?
 これ?
 口空いてないじゃん」
 
「えぇ」
 
「いいんですか?」
 
「もちろん」
 
 
久々に木箱入りのモレンジを見た。
 
出来の良い物にビンテージを付けて出すプレミアムモルトで、
オフィシャル物ながら個性がハッキリしていて美味しい物だ。
 
ただ、最近この手のモレンジはめっきり姿を消し、
私にしても久々の再会・・といったところ。
 
嬉しさを隠しきれずに、口開けの一口を楽しむと・・・・
やっぱり、思いっきり爆睡中。
 
という事で、しっかりと時間をかけて飲んでみる。
 
加水されたタイプなので軽く感じるが、
モレンジらしいバニラ香は薄く、しかし奥行きの広さは先が見えないほどで、
少し枯れた感じが気持ちよさに繋がるような味わいがある。
 
 
「いい・・・・」
 
 
と思わず、独り言。
 
 
「でしょ?」
 
 
とマスター。
 
滅茶苦茶に混んでいる店内で、自分の廻りだけが妙に静かに感じられるほど、
味わいに集中できる、不思議な感覚さえ訪れる。
 
 
古い物が良いと言わないように・・・とは思っていても、
こうして良いモルトに出会ってしまうと、考え込んでしまう。
 
やっぱり70年代以前のモルトは美味いじゃん・・・と(^_^;
 
味の作り方も飲み方も違う時代の作品が、今に残れるだけの力持っているのではなく、
長生きできる凄いモルトだけが残っているから当然の事だが、
それでもやっぱり味わいに余裕を求めるような意志が、明確に込められているように思えてならない。
 
ただ・・・
最近、ほんの一杯につもりで飛び込む店に隠された在庫が、
妙に自分の好みに合う事が多くなってきたのは、何故だろう・・(/–)/

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