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2010-03

once in a blue moon

B0F3
 
「月に2回ある満月を『ブルームーン』って言うの、知ってる?」
 
「え? そうなんだ」
 
「今年は珍しくブルームーンがあるのよ、しかも今日。」
 
「へぇ・・・」
 
「だから見てね」
 
「満月を?」
 
「うん、見ると幸せになるって言われてるのよ。」
 
「そうかぁ・・・
 じゃぁ、見ないとね。
 でも飲んべえとしては、ブルームーンと言うカクテルを思い出すね」
 
「あら、そんなカクテルがあるんだ」
 
「うん、ジンとバイオレットを使ったカクテルで、
 完全なる愛という意味もあるんだよ」
 
「完全なる愛ってあるのかしら?」
 
「無いね」
 
「そうよねぇ・・・」
 
「だから『できない相談』って意味もある」
 
「・・・」
 
「ついでに、バーでこれを女性が頼んだら、
 あなたとはおつきあいしません・・・という意味になる。」
 
「相変わらず蘊蓄好き・・・ね」
 
「ちなみに、女性から男性を誘う時はシェリーをオーダーするんだぜ?」
 
「え? そうなの??」
 
「うん、だからティオペペ好きの君は、
 こんな蘊蓄オヤジには注意しないとね」
 
「・・・。
 あ、でもその意味を知ってるかどうかは、どうやって探るの?」
 
「簡単さ。ポートワインって知ってるよね?」
 
「うん。
 飲まないけど。」
 
「女のシェリーと、男のポートは同じ意味があるから
 女の方から『ポートは勧めないの?』って聞けばいいのさ」
 
「単に知らなくてドウゾって来られたら?」
 
「う・・・・ん
 ポートを前にして『コレを飲んじゃっていいのかしら?』って
 尋ねるしかないねぇ」
 
「じゃぁ、あなたは私がティオペペ飲みたいって言った時、
 そんな期待を持ってたワケね?」
 
「まぁ、一応、考えました。」
 
「でも何もしなかった」
 
「だってさ・・
 『この店、ポートも良いモノがあるぜ』って返したのに、
 『ポートは臭くて嫌い』って言ったからさ。
 あっ・・・知らないね・・・シェリーの意味・・と」
 
「そんな事、あったかしら。」
 
「あった。」
 
「あなたと飲むのは、滅多にない事ですからね。
 覚えてませんわ。」
 
「なんだったら、これから横浜で飲む?
 例えば、ポートとか。」
 
「飲みに行ってもいい・・・かな。」
 
「ホント?」
 
「ブルームーン、オーダーするけどね。」
 
 
七分咲きの桜の向こうで
ブルームーンが微笑んだように見えた。
 
 
 
 
 
 
 
 
A1724
 
                               -Blue Moon-

52

cc52
 
しずかな夜、
独りで誕生日を迎える。
 
50からの人生は全部付録のような物・・と考えているから、
この穏やかさを、ある意味嬉しくも思っている。
 
 
付録の1年は、
辛い事の積み重ねだった。
 
でも、やりたい事をやるために
突っ走ってきた1年でもあった。
 
そして今日、
壊れたパーツを騙しつつ、
誰にも気兼ねなく、自分らしく突っ走る気持ちを重ねながら、
新たに、孤独な1年耐久レースのスタートを切る。
 
 
今年の役目は何だろう。
 
それは見えていないけど、
行くべき道の為には、必要な時に必要な物が用意されるもの。
 
だから慌ててそれを探る意味は無く、
その時それを知り、そして動く事になるだけの事。
 
そうやって生きてきて、
それが間違いない事は身に浸みている。
 
身の丈に合った役目は果たし、
1日の終わりに荷物は全部下ろして、
明日に求められる役目を迎えよう。
 
 
しかし・・・
年を食ったもんだねぇ・・・(^_^;

KM

7089s
 
人の上に立ちたい人間がいる。
誰よりも目立ちたい人間がいる。
自分勝手に生きる人間がいる。
 
そう・・・
そんな人達は、当たり前に多く
社会の中で生きている。
 
でもそれは、
ある程度仕方の無い事。
 
そうしないと、自身の存在価値を見出せなくて、
平気な顔して歩くこともできないのだから。
 
 
一時期使われた言葉に「KY」というのがあった。
 
もうその表現は古い・・・と言う前に、
あまりに「KY」な人達を多く見て、
その単語がすっかりすり込まれてしまったように思う。
 
でも、最近、気がついた。
 
これ・・・
空気読めない(読まない?)じゃないな・・・と。
 
 
自我を強く出して、
それを限られた社会の中ででも認知させて、
高い地位を獲得した人がいた・・として、
その人間があまりに「KY」だったとしても不思議じゃない。
 
例えばそれは、
自分を棚に上げて攻撃に出たり、
わかりやすい形で地位の保全を図るような行動に出るのは、
「KY」ではなく防御姿勢に他ならないからだ。
 
で、思う。
これは「KM」だ・・・と。
 
KMなんて言葉は無いけど、
そんな行動をする人を見てて感じたのは
空気を読まない、ではなく見えてないって事。
 
廻りの空気を読むとかの以前に、
そもそも、そんな空気を見ない、もしくは全く見えてない、
って事なんだと思うと、その行動に合点がいく事が多すぎる。
 
つまり「空気、見えない=KM」だ(^_^;
 
 
政治の世界を見てて思うのは、
KMな人達よりKYな人の方がまだマシなのかも知れない、という事。
 
そこに空気があると認識できるかできないか・・の違いだけど、
少なくとも、自分1人で社会は築けない事位、わかっていて欲しいからだ。
 
 
そろそろさ・・・
自分の立場に酔うのをやめて、
責任を感じようよ。
 
部下の暴走を止められないトップは辞すべきで、
自分の責任を部下に押しつけて持論だけ吐いても支持は得られない。
 
友愛・・なんて言葉ではどうにもならない事は、
いくらなんでもわかってきたんじゃないのかな?
 
 
ま・・・
どこの社会にも転がっていそうな状況だけどね。

何が見える?

3436
 
楽しい事と悲しい事が、交互に起きる。
 
それが人生なのかな・・・
とも思う。
 
どっちが多いか、とかを考えたり
誰かと比べたりするのは馬鹿馬鹿しい。
 
何故ならそれは、
受けとる気持ちによって変わってしまうモノだから。
 
 
客観視って難しい。
何故ならそれは、経験が無いと難しいから。
 
自分の感覚なんて単なる思い込みなんだ・・と知るには、
もっともっと豊かな感覚を持てないと気付けないように、
自分が勝手に思い込んで決めつけている事がどれだけあるのか、
その事実を知る手段と勇気はなかなか揃わない物らしい。
 
人と比べて劣っている・・と思う必要は無い。
人と比べて変わっている・・と思う意味はある。
 
自分しか見えない何かを知れば、
欠点は美点に変える事ができるからだ。
 
 
何だかそんな事を感じさせられる事が、
ここのところ多すぎて、不眠症気味(^_^;

闇夜の灯台

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ここ1ヶ月、
実に腹立たしい事が、続いてきた。
 
これでもか?っていう位の量の事象と、
思いもよらない問題と、
ワガママ故のトラブルと・・・
 
 
まぁ、いつものように笑い飛ばすしかないんだけど、
自分だけが頑張っても何の解決にもならないから、
どうにか人を動かそうとするのに、
個々の主観がそれを阻む。
 
じゃぁさ、自分で痛い目見ろよ・・・
 
と言いたくなるけどそのとばっちりはちゃんとあるので、
結局、転ばぬ先の杖・・と言うか、
闇夜の灯台・・と言うベキか、な動きを、する事になる。
 
で・・・
気付く
 
自分が痛んでいる事に。
 
 
悲しい事に、
美味い物を美味く感じられなくなったり、
美味い酒を飲む気にもなれなかったり、
どこかへ行こう・・とは、最初から思えなくなって、
心許せる人以外とは、顔も合わせたくない気分に陥っている。
 
 
なんだろうね。
感じ過ぎちゃうのかもね。
 
相手の気持ちなんて想像できない人が吐く言葉の刃は、
ただ痛いだけで裏が無い分、楽に対処できるはずなのにね。
 
 
まぁ、こんな時は、
酔う為に飲むしかないのかもね(^_^;

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